推理小説の部屋

ひとこと書評


NO.6 #9(完)/あさのあつこ (講談社文庫)

★★★  

アニメ化までされたシリーズも、ついに完結。 #1が2006年12月でしたので、8年間にわたっての、ようやく最終巻文庫化。 ほぼ1年1冊ペースでしたね。

やっぱりネズミはまごうことなきヒロインでございました。 もう何も言うことはありません。沙布?何それ?おいしいの?

(2014.09.18)


神去なあなあ夜話/三浦しをん (徳間文庫)

★★★☆ 

「神去なあなあ日常」の続編。 Kindleにて読了。


ブラッド・スクーパ/森博嗣 (中公文庫)

★★★☆ 

「ヴォイド・シェイパ」シリーズ第2弾。 とある庄屋に寄ったゼンは、秘宝「竹の石」を狙う盗賊達から守るように用心棒を頼まれる。 最初は断りながらも、用心棒を引き受けたゼンだったが……。

タイトルは「血を掬う者」でしょうか。ゼンと、ハヤやノギとの会話のズレっぷりが面白いですね。 ゼンは確かに何も間違ったことは言ってないのですが、何というか、空気が読めてないというか。

本筋のストーリー(ゼンの出生に関わる秘密うんぬん)に関しては、 ほとんど進んでいないので、確かにこのシリーズ、 読む順番はどうでもいいのかも知れません。

(2014.05.06)


星間商事株式会社社史編纂室/三浦しをん (ちくま文庫)

★★★  

会社に腐女子であることを隠し、60周年に間に合わなかった社史編纂室へと配属された幸代だったが、 課長に腐女子であることがバレてしまう。 幸代たちは社史を編む内に誰もが語ろうとしない「高度経済成長期の穴」に気付く。 そんな幸代の元に脅迫状が……。

途中で挟まれる同人誌がBL趣味全開で面白かったです。

(2014.04.27)


電氣人間の虞/詠坂雄二 (光文社文庫)

★★★☆ 

口にすると現れる「電氣人間」。その都市伝説を追っていた女子大生、 そしてその幼馴染の男子高校生が、相次いで死んだ。 果たして「電氣人間」の仕業なのか?

各章が「電氣人間」の会話で始まる、というのがまさか伏線になっているとは……。 やられました。

(2014.04.27)


ドライブ/黒田研二 (TO文庫)

★★★  

睡眠薬で眠らされ、気付くとワゴン車の中に閉じ込められていた6人の男女。 「夢鵺」と名乗る者からタブレット端末に送られてきた指令は、 「ナビの指示通りに制限時間以内にチェックポイントまで到達せよ。 さもなくば車に仕掛けられた爆弾が爆発する」というものだった。 死のドライブが始まる。

ホラーサスペンス。設定だけ聞くと「スピード?」という感じですが、 車の色々なギミックを活かした殺人方法に工夫がありました (正直それはいくら何でも無理があるだろう、と思うようなものも含めて)。

「TO文庫」って今回初めて買ったんですが、サスペンス・ホラー系ばかりなんですね。 「T.O.」って何の略なんでしょう。

(2014.04.17)


ナニワ・モンスター/海堂尊 (新潮文庫)

★★★☆ 

新型インフルエンザ「キャメル」の発症により、経済的に封じ込められる浪速府。 しかしその背景には、警察庁や厚生労働省の思惑があった。 浪速府知事・村雨と、「大法螺吹き(スカラムーシュ)」彦根は、 巨大な力に立ち向かう。

「イノセント・ゲリラの祝祭」の正統続編、という感じでしょうか? このあと「ケルベロスの肖像」で打ちのめされてしまう彦根先生が、 どうやって立ち直るのかも含めて、続きが気になりますね。

(2014.04.13)


笑う怪獣/西澤保彦 (実業之日本社文庫)

★★★  

怪獣が突如現れるミステリ。

オレことアタル、京介、正太郎の3人は高校の元同級生。 いい大人になっても、いまだにナンパに精を出す三人組。 しかし彼らがいざナンパに挑もうとすると、なぜか怪獣が現れて、 全てを台無しにして行くのであった……。

出てくる「異形のモノ」は、怪獣に限らず、宇宙人、怪物、ヒーロー等々。 ミステリの中にSFのルールを一つ入れて、それでも全体としてロジカルな本格として成立している「SF新本格」と構造は似てますが、 さらにブッ飛んでいるというか、「異形のモノ」を「予め提示されたルール」ではなく、 「オチ」として使っている感じですね(なので厳密には本格ではないかも)。 まあ後半に進むにつれてロジカルさは増して行くんですが。

(2014.04.09)


輝天炎上/海堂尊 (角川文庫)

★★★☆ 

ケルベロスの肖像の事件を、 天馬目線で描いた謎解き編であり、真の完結篇。

ケルベロスの肖像だけではいまいち釈然としなかった、裏の動きが色々と判明するので、 なるほど、とスッキリしました。結局桜宮一族の行方に関しては不明なままですが……。

しかし天馬の元には美女が集まるんですね……。さすがラッキーペガサス。

(2014.04.09)


イキルキス/舞城王太郎 (講談社文庫)

★★★  

舞城王太郎の中・短編集。最後の2本の短編は、文庫書き下ろしのようです。

中学校のクラスの女子6人が突然の死を迎えた。 果たして、これは何かの病気なのか、呪いなのか?「イキルキス」。

弟を変質者に殺されたことから転がり落ちた男の人生を変えた物とは? 「鼻クソご飯」。

普通の家族だったはずの一家が、自動車事故から徐々に崩壊を始める。 しかしそれも人生の中の普通の波だったのか?「パッキャラ魔道」。

「夢」と地続きになってしまった我が子を救うために両親が取った手段とは、 「神様」を作り出すこと?「アンフーアンフー」。

他人と摩擦を起こさないように生きてきた昭子。 新婚で子供にも恵まれた彼女が不意に出逢った悪意の結末は?「無駄口を数える。」

舞城節、とでも言うべき、シチュエーションを変化させながら読点でひたすら繋ぐ文章は健在ですね。

(2014.04.01)


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