★★★
覆面作家「西村香」をめぐる、連作短編集。 折原さんの叙述とパロディセンスが存分に活かされた作品となってます。
パロディもかなり徹底しています。 デビュー作は短編集「天駆ける木馬」で第二作が「朝の梟」。 第三作は初の長編で、初めて殺人事件が起きる「春に死す」。 他にも「覆面作家が多すぎる」や、 SF的時間跳躍をテーマにした「ステップ」「リターン」など。 北村薫さんを知っている人なら、思わずニヤリとしてしまいます。
登場人物は、例によって折原作品に共通する、 どいつもこいつもどっかおかしい奴らばかりが出てきて、 正直感情移入はできないのですが、 どんでん返しが痛快なので読んでて苦痛ではありません。 「覆面作家」という特性を存分に活かしてますね。
(2000.12.29)
★★★
「遺書」「松本」に続く、松ちゃんのエッセイ第3弾。 今回は毎回テーマを決めて、インタビュー形式で行われたみたいです。
お笑いというものに対する自信というものをヒシヒシと感じました。 自信、って言葉じゃ足りないな。信念、というか。 アイデンティティと言ってもいいかも知れない。
(2000.12.29)
★★★
恋人は去り、大学も中退、社会から脱落した主人公。 みじめな現実世界から逃げ出したい心が思い出させた幼い頃の夢。 そこは2つの月があり、鬼の顔が近づき、「よもつしこめ」が囁く世界。 物心がつく前にはいくつもの平行世界があるのだが、 物心がつくことによってその内のどこか1つの世界に固定されてしまう。 主人公は「こんなはずじゃなかった」世界から逃げ出すことができるのか?
まるで量子力学の理論のような(実際作中でもそういう説明がなされる)世界観。 でもSFかというと、やはりこれはホラーなんだろうな。 あんまり怖い、という感じではなかったですが。 というか、オチがよくわかりませんでした(;_;)。
それより主人公のみじめな生活がリアル過ぎて。そっちの方が怖いわ。
(2000.12.26)
★★★☆
困ったときの祥伝社400円文庫(笑)。クローン物のSFです。
2010年、地球は深刻な環境破壊の危機にあった。 優秀な人材不足を解消するために選ばれた「マカロフ」は、 クローン技術によって1000人のマカロフ達の「親」となった。 あり得たかも知れない彼自身の可能性を観察するため、 オリジナル=マカロフは、70年のコールドスリープから目覚めた。 そこで彼が見たものは…?
クローンものってのは目新しい素材ではないと思いますが、 社会的にクローン精製が行われていながら、 対象者は一人だけで、しかも1000体ってのはなかなかないんじゃないでしょうか。
クローンものの常としてアイデンティティの問題に行き着くわけですが、 最後のオチは予想できませんでした。 救いのあるエンディングで読後感良。
(2000.12.25)
★★★
あまりなじみのない歌舞伎の世界を舞台にしたミステリ。 言葉を忘れていく天才歌舞伎役者、 2ヶ月前の殺人事件、全く別に見えた2つの事件が絡んでいきます。
視点も2つ。天才歌舞伎役者・中村銀弥の妻・一子、 そして大部屋の女形役者・瀬川小菊。
女形の小菊のキャラがいいですね。 心は完全に女性、っていう感じで。
真相を知ると、この世界を舞台にした理由がわかります。 普通の世界じゃ考えられない動機ですね。凄い世界だよなあ…。
(2000.12.24)
★★☆
長編「ウッドストック行き最終バス」「キドリントンで消えた娘」 は読んだんですが、それ以外の長編は読んだことのないコリン・デクスター。 どうもそれ以外長編はこの2作を超えるものがない、 という評判なので敬遠していたのですが、 短編集ならいいだろ、ということで手を出してみました。
…が、はっきり言って翻訳モノの短編は失敗かも知れん。 オチが理解できないのが多すぎる。 一番面白そうな表題作の「モース警部、最大の事件」が一番オチがわからんのは、 悔しすぎ。
モース警部ものだけじゃなく、ホームズのパスティーシュまであったりして、 なかなかバラエティには富んでるんですが、 前述の理由から評価はちょっと低目。
(2000.12.19)
評価保留
「一巻の終わりクイズ」で大逆転を果たした恋子たち。 しかしクイズが終わったあと、笙造と貴船は姿を消す…。
残すはあと1話。物語は意外な展開を見せます。 ホントに決着するのか?
しかし後半のニュース連発には参った。 それが内容に絡んでくるんだから文句は言えないんだけどさあ。 実質的な内容が薄いよなあ。
(2000.12.16)
評価保留
ついに第3者が登場。敵か味方か?千華子はどうなる? 練たちを待ち受ける試練とは?
物語は佳境。面白いです。 でもあんまり言うことはないなあ。ネタバレになってしまいそうだし。 2ヵ月後が待ち遠しいなあ。
(2000.12.10)
★★★☆
15年の月日を経て、再会した6人の同級生。 仲間の結婚披露宴の席で、なぜか彼女たちは、 15年前の解決していない殺人事件のことを思い馳せ、 そして真相へと辿り付くのであった…
6人の女子高生の、それぞれの視点から描いた章から構成される長編。 連作短編の名手である若竹七海さんですから、そこは手馴れたもの。 切り取られた各々のエピソードから、各人の個性が見事に描き出されています。
そして真相。え?まさか?という真相からさらに二転三転。
同年代の人はほろ苦い、あるいは甘酸っぱい感情が沸いてくること間違いなし。
(2000.12.10)
★★★
「叙述トリックの第一人者」折原一氏の短編集。 短編集としてはデビュー作らしい「七つの棺」を読んだことがありますが、 あちらはパロディ密室ものの連作短編でしたから、 純粋な短編集はこれを読むのがはじめてになります。
ちなみに、本屋でこの本を見かけた時、「倒錯の視角−201号室の女−」 と勘違いして、既に読んだ本だと思ってました。 目次を見たら短編集だったので驚いた。
「叙述トリック」というのは、 ある意味叙述トリックがあること自体が既にネタバレになってしまうので、 彼のような作家はやりづらいだろうなあ、と思います。 読者の方もそのつもりで読みますから、そうそう騙されませんよね。 その上を行って騙してくれると嬉しいんですが。
こういう短編集になってしまうと、その懸念が当たってしまう形になりますね。 読んでいく内に段々とパターンが読めてしまうんですよね。 「ああ、実は○○が××なんじゃなくって、△△の方が××なんだろうな」 とか。
その中でも一ひねりが効いていた「殺人計画」「わが生涯最大の事件」 が面白かったです。
(2000.12.08)
★★★☆
麻耶雄嵩の神話的最高傑作!らしいです。 「夏と冬の協奏曲」以来、 裏切られても裏切られても次が気になる、不思議な作家です。
弟・襾鈴(あべる)の失踪と死の謎を追って、地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允(かいん)。 そこは絶対神・大鏡が支配する、文明から隔絶された村だった。 人に襲い掛かる鴉、東西の対立、兄弟の憎悪と嫉妬、人形師に錬金術師…。 果たして村に隠された秘密とは?そして弟の死の真相は?
文明から隔絶された異世界を設定する、という点でエラリー・クイーンの「第八の日」を思い浮かべました。 まあ、この人の作品はいつも館やら島やら学園やら、 ちょっと変わった世界を舞台としてますが、 今回の村はまさにトリックとプロットのために用意された舞台装置という感じ。 いつも感じる違和感が、いくらか薄まった感じです。 それにしても珂允に襾鈴とは強引な…。他の登場人物も相変わらず変な名前ばかり。 猫はてぃがだし。
中盤まではゆっくりとした感じで村の描写が続きますが、 最後の怒涛の解決編は、まさに圧巻。 ひっくり返って、ひっくり返って、納得しかけたところで、 さらにひっくり返る…。なんでこの人の作品は、 最後に違和感というか不協和音を残すんでしょうね。 まあ、夏と冬の協奏曲ほどではなかったですが。
(2000.12.03)
★★★
名古屋初上陸記念(笑)、というわけではありませんが、N大を舞台にした犀川&萌絵シリーズを連続読破。
こちらは偶数章だけからなってます。それだけでなく、章のタイトルも、 幻惑の死と使途ではすべて「奇××××」 だったのに対して、こちらではすべて「偶×の○い」で統一されています。 凝ってるなあ。
もう一つの事件で忙しいため、 こちらの物語はもうひとりの「もえ」こと杜萌が主役。 前作の第一章で顔見せしていた萌絵の高校時代の親友です。
幻惑の死と使途に比べるとこちらはかなり地味。 というか、今までのシリーズでは必ず「密室」にこだわってきたと勝手に思っていたのですが (衆人環視の中での殺人も、犯人の逃げ場がないという意味で、 広い意味での「密室」に含んでよいでしょう)、 今回はそういう「How done it?」ではなく、なぜそういう状況になったのか(Why done it?)、 という点に主眼が置かれています。
解決は意表をつきたいあまりか、ちょっと消化不良気味な印象を受けました。 それと、思っていたよりも2作に関連性がなかったんですね。 もっと有機的に結びついているかと思っていたんですが。 共通するキーワードとしては「名前」がありましたが。 他にも2作とも読まないと解けない謎、 とかがあるのかと思ったのですが、そういうことはないみたいですね。
(2000.11.27)
★★★☆
「夏のレプリカ」と同時発売。なんで?と思ったら、同時期に起こった2つの事件を書いてるんですね。 こちらの「幻惑の死と使途」には奇数章しかありません。 「夏のレプリカ」の方は偶数章だけ。 なかなか面白い試みですね。1章ずつ交互に読んだ人はいるのかな? ただ、こちらを読んだ限りでは、1章での絡み以外はあまり登場人物間の絡みはなさそうな感じですが。
天才マジシャン・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺されます。 さらに、遺体が霊柩車の中から消失。これは匠幻最後の脱出マジックなのか?
密室ではないですが、あくまで物理トリックにこだわる森作品。 今回は特に派手派手ですね。ついにテレビにも写真週刊誌にも出てしまった萌絵。 トリックはひとまわり回って新鮮でした。
しかし冊数を重ねるごとに萌絵と犀川のらぶらぶパートが長くなっているような…
(2000.11.22)
★★★★
ストーカーに襲われて自殺を図った兄の嫁が病院で息を引き取った頃、 そのストーカーも謎の交通事故によって変死していた。 兄には動機があるが、アリバイがない。 14歳の渚は、兄の疑惑を晴らすことができるか?
14歳の女の子の生活感溢れる描写が見事。 彼女の周りで起こるさまざまな事件が収束していく様は気持ちいいです。 そして全てが丸く収まったかに見えたところに待ち受ける結末…。 やられました。
私が買った400円文庫10冊もついにこれが最後。 短くて1時間くらいで読み切れるのはいいけど、 コストパフォーマンスはあんまり良くないよなあ…。 まあ、でも文庫書き下ろしってのは魅力なんで、またやってください。
(2000.11.20)
★★★
若竹さんが学生の頃体験した実話「毎週土曜日に本屋に五十円玉二十枚を持って千円札に両替をしに来る男」 を元に、プロ・アマの方々がその「真相」を推理。
法月さんや依井さんのようにメタになってしまう作品はやはりいまいち。 真っ向から向かい合った有栖川さんの作品や、最優秀賞の高橋さんの作品が良かったです。
しかしどれも100%しっくりとは来ませんね。やはり事実は小説より奇なり?
(2000.11.19)
★★★
心理サスペンスもの。 今回の400円文庫ではいつもは読まないタイプの作品まで釣られて読んでます。
ひたすら一人称で進んでいく心理描写。織り交ぜられる現在と過去。 破滅へと向かう過程が過不足なく描写されています。
火曜サスペンス劇場かなんかにしたら面白いかも。 でも頻繁なカットバックは小説ならではかも知れませんが (ドラマにするとわけわからなくなりそうだな)。
(2000.11.12)
★★★
名古屋のおばあちゃん達が活躍する物語。 キャラクターたちはほんわかしてますが、 事件はバラバラ殺人事件と穏やかではありません。
「ゴミ」がさまざまな面で鍵を握ってます。 分別の仕方の違いから犯人像を割り出す辺りは見事。 中編らしくまとまっていて読みやすかったです。
(2000.11.12)
★★★
探偵役が占い師。といっても「占い師はお昼寝中」の探偵役とは違い、 事件に巻き込まれてしまってやむを得ず探偵役となる、というタイプです。
犯罪の動機は「しょぼっ」って感じでしたが、 主人公の「占い師」であることの特徴を活かした展開になっていたと思います。
(2000.11.11)
★★★
ほとんど読んだことのないハードボイルド。 400円文庫の一環じゃなければ、まず買ってないでしょうね。
まあ、面白かったです。実際の探偵の仕事なんてこんなもんだよね。
最後のオチは…うーん、いいのか?それは犯罪ではないのか?(^^;) まあ、いいか。
(2000.11.11)
★★★★
テーマ競作「無人島」シリーズの最後。 最も本格っぽい作品です。
無差別爆弾テロによって追われる身となった狂信集団の4人と二人の幹部が、 身を隠すために無人島へとやってくる。 しかしある日幹部の一人が船と共に姿を消し、 残りの5人は絶海の孤島に閉じ込められた。 助けは来ないまま、1人また1人と殺されていく。 犯人は仲間の中にいるのか?それとも他の誰かが?
差し込まれる新聞記事が効果的。 先の展開への興味と、ミスリーディングの役目を見事に果たしています。 最後に生き残るのは一体誰なのか?
中篇らしい傑作でした。
(2000.11.11)
★★★
北川さんらしい、最新科学テーマにした中篇。 嗅覚を通じて、知覚と認識との違い、 そして脳と意識との関係を題材にしてます。 まあ、今回の話はかなりフィクション要素が濃いみたいですが (巻末にも「誤解を生じる余地が大きいと思い、 参考文献の記載は割愛しました」と書いてあります)。
最新の科学的題材を埋め込みつつ、 ちゃんと最後にどんでん返しを持ってくるのはさすが。
以下、疑問に思った点。 ネタバレです。本編を読んだ人だけ、ドラッグして読んでください。
今回の話は人が死にませんでしたね。 結局、里村泉の言ってた「死体のにおい」ってのは何だったんでしょうね? 単なる勘違いだった、ということでいいんでしょうか?
(2000.11.06)
★★★
テーマ競作「無人島」の第3弾。いや、しかし一日に一冊読める気楽さってのはいいですね。
バカンスにやってきた5人の女子高生。しかしその無人島には殺人鬼が潜んでいた…。
こちらは読後何ともやりきれない気分にさせられます。 5人の女子高生の心情をうまく描いているとは思うのですが。 もう少し生き残ってほしかったなあ…。
(2000.11.04)
★★★☆
祥伝社文庫書き下ろしシリーズ・テーマ競作「無人島」の第2弾。
謎の提示が非常に魅力的です。廃墟と化した無人島で発見された3つの死体。 1人は餓死、1人は高いビルの屋上で墜落死、1人は寂れた映画館で感電死。 3人の死亡推定時刻は極めて近い。だが3人を結びつけるものは意味不明な新聞記事のみ。 果たして事故なのか、それとも殺人なのか?
短い枚数で、これだけの魅力的な謎を詰め込める力量に感服いたしました。 読後の余韻もなかなか。オススメです。
(2000.11.04)
★★☆
祥伝社文庫15周年記念特別書き下ろしシリーズ。 全部400円。思いっきり乗せられて、いきなり10冊買ってしまいました。
で、これは「テーマ競作・無人島」の4編中の1編。 あとの3編は恩田陸、近藤史恵、歌野晶午の3名です。
で、最初の西澤保彦なんですが…。 うーん、これはなんというか(^^;)。 あまりに変化球から入ってしまったかな? 何しろ「百合族官能作家」のなつこが、孤島に誘拐・監禁されるものの、 そこは楽園だった…、っていう筋ですからねえ。 確かに人は死ぬんですが、あんまりミステリじゃないよなあ。 西澤さんがすごくノッて書いてるのは感じるんですが。
実在の作家がフィクションとして登場するところなどは「ウロボロスの…」 のシリーズを彷彿とさせますが、どういう意図なんでしょう? 私、森奈津子さんっていう作家を知らないんで、 どういう方なんだか知らないんですが、怒らないんでしょうかね?(^^;) それともホントにこういう方だとか?
なんかこの「なつこ」シリーズはシリーズ化するらしいです。 正直、あんま興味ないですが。
(2000.11.02)
評価保留
「グリーンマイル方式」の文庫書き下ろし隔月リリースシリーズの2話目。 密林に放り出された2人の運命は如何に?
この先どういう展開を見せるのか、少しだけ方向性が見えてきた気がします。 どうも神殿が鍵を握っている模様。超科学ものになるのかな? ヒキの吸引力は「トップラン」シリーズよりも強いですね。 2ヵ月後が楽しみ。
(2000.10.29)
★★★
オリジナルキャラが出るということで、読んでみました。
中身は原作のローグタウン編をほぼ忠実になぞっています。 これだけならはっきり言ってわざわざ小説で読む必要もないくらい。
オリジナルエピソードとオリジナルキャラクター(ダディ・マスターソン)は ウソップと絡むんですね。 確かに原作では、ローグタウンでのウソップのエピソードは削られてしまいましたから。 この部分はアニメでもやるようで、楽しみです。
(2000.10.29)
★★★★
待望の文庫化。しかし内容に対する前知識を全く持たずに読み始めた私 (文庫の裏に書いてある概説すら読まなかった)。 何となく時代物なのかなあ、という感じはしていたのだが、 どうも舞台は現代らしい。二・二六事件が関係しているようなのだが、 果たしてどうやって主人公と絡んでくるんだろう?と思っていたら、 時間旅行者が現れて、主人公は二・二六事件の真っ只中に…。
なるほど、タイムトラベルものだったのか。確かに宮部みゆきといえば、 超能力者はお手の物。でも最近はあまりそういうイメージがなかったので (「クロスファイア」とかあるけど)、ちょっと意表をつかれました。
中身は恋愛物でもあり、SFでもあり、歴史ものでもあり、ミステリでもあり。 歴史に疎い現代の若者である主人公の目を通して語られるので、 歴史ものといっても違和感無く読めます。 そしてラストに丁寧に各登場人物のその後が語られる様はジーンと来ます。
(2000.10.29)
評価保留
幻冬舎文庫から、また隔月シリーズが刊行。
離婚して別居している母と妹と共に、年一回の「年中行事」である、 遺跡発掘学者の父のいる南米へと向かう主人公たち。 しかし、今回は何か様子が違う。 そして事態は思わぬ方向に…
各段落の順序が時系列に沿ってないので、最初はとっつきにくいですが、 読み進んでいくと引き込まれます。 かなりよく考えられていることがわかります。 しかしうまいヒキですね。次が楽しみです(もう発売されているんですよね)。
(2000.10.26)
評価保留
このシリーズもとうとう第4話。 ようやく話が展開し始めた、という感じです。
今回は貴船の怪しい本性が暴かれ、 また探偵たる「パパさん」こと笙造の本領が発揮される、 なかなか面白い展開を見せました。 しかし引っ張るなあ。
最初の章で、前巻のあらすじを丸々振り返ってるのを見ると、 アニメ「ドラゴンボールZ」の引き伸ばしを見ているような気になるのは、私だけ?(^^;)
(2000.10.22)
★★★☆
キッド・ピストルズシリーズの第3短編集(ところで「十三人目の探偵士」って、 まだ文庫にならないの?)。今までの2作は創元推理文庫からでしたが、 今度は講談社文庫から。
今回はキッドの生い立ちとピンクの生い立ちが、 それぞれの口から語られるのがポイントでしょうか。 相変わらず、「マザーグース」をモチーフにした、 本格の王道を行くような展開が楽しめます。
(2000.10.22)
★★★
狂言誘拐を依頼する女。
それに便乗する犯人。
しかし事件は意外な展開を見せ…
「被害者」と「犯人」からのパートが交互に描かれる、という手法は、 今となってはあまり珍しくもありませんが、 なかなか意外な展開が楽しめます。 執筆(1991年)当時の通信事情がわかって、これはこれで面白いかも。
(2000.10.17)