最終更新日: 2002.01.27
私とドラクエの出会い……それはFC版のDQ2の頃まで遡る。 当時ファミコンなどのゲーム機を持っていなかった私は、 友人Tの家で初めてのドラクエシリーズをやった。 RPGと言えばパソコン版のブラックオニキスしかやったことのなかった私にとって、 ストーリー主導型のRPGは新鮮なものであった。しかしT宅に通いながら少しずつストーリーを進めていった私に転機が訪れた。 実はそのDQ2の正当な持ち主はTではなかったのだ。 彼もDQ2を後輩に借りていたに過ぎなかった。 こうして、DQ2の返還と共に、私のDQ2も幕を閉じた。 ようやく強敵グレムリンを倒し、船を手に入れたところであった。 手元には「よもつちらけつぴまち くめをさいしかさぶつ …」という 復活の呪文だけが残された。
それから10年の月日が過ぎた……
そういうわけでこのDQ5は私にとって初めてクリアまで行くことのできたドラクエということになる。 このDQ5の特徴は何と言ってもモンスターを仲間にできることであろう。 モンスターはそれぞれのモンスターごとに特徴のある特技や呪文を覚えていくので、 結構楽しかった。 また、強いモンスターは割と早いうちにレベルがカウンターストップしてしまうので、 「どいつを外すか」についてはあまり悩んだ記憶がない (パンチョなどの脇役人間キャラは真っ先に外されていたような)。
シナリオに関して言えば、主人公が「勇者の子孫」ではない、 という点が他のドラクエシリーズの作品とは大きく異なる点であろう。 また「結婚」という、今までにない大きな選択イベントが待っているのも特徴であった。 当時は「ビアンカ派」と「フローラ派」の真っ二つに分かれていた。 ちなみに私は「ビアンカでゲレゲレ」派であった(笑)。
強制イベントが多くていまいち、という声もあるようだったが、 石になったままずーっと過ごした時は何とも言えぬ虚しさを感じたりして。 今やるとシステムの不備とかが気になるんだろうが、 当時はかなり面白かった記憶がある。
それにしてもラスボスの印象は無茶苦茶薄い。父親を殺した奴とか、 ビアンカを石にした奴には無茶苦茶腹が立ったが、ラスボスって何かしたっけ? よっぽど隠れダンジョンのエス○ークの方が印象に強い。
そしてDQ1。使い切りの鍵やラダトーム城にしか戻れないルーラに不便を感じつつも、 約2日でクリア。1対1というのも今となっては逆に新鮮かも知れない。
そして因縁のDQ2へ。王子と王女を仲間にして、約1日で船を手に入れるところまで進む。 10年越しの悲願達成である。さらば「よもつちらけつぴまち くめをさいしかさぶつ」。
しかし船を手に入れてからが問題であった。何しろ世界中のどこへでも行けるので、 順番が無茶苦茶になってしまったようなのだ。水門の鍵をすでに手に入れてるのに、 どこに水門があるのかわからない、など。「だからその村はどこにあるのか、 誰か教えてくれ〜」と思ったもんだ。
「山彦の笛」もハマったものの一つだ。何しろDQ5しかやったことがないために、 DQ5の「山彦の帽子」と勘違いしてしまったのだ。「きっとこのアイテムを持っていれば、 呪文の2度がけができるようになるに違いない」と信じて疑わなかった。 結局「炎のほこら」がどこだかわからないまま太陽の紋章を手に入れてしまい、 その後で識者に聞いて衝撃を受けたという……。
SFC版はFC版に比べると持てる持ち物の数が増えてたり、 一度落ちた落とし穴が残るようになってたり、 と大分易しくなってるようで、 FC版DQ2で先人達が苦しんだほどの理不尽な苦労はしなかった。 それでもロンダルキアとか最後の方はかなり敵に苦労した記憶はある。 やばくなるとメガンテ唱えてくる敵がいるのには参った。
SFC版DQ3は単なる復刻版というだけでなく、さまざまな新要素が組み込まれている。 「小さなメダル」、「性格システム」と「すごろく場」である。 特に後者の2つはシリーズ初登場である。
「性格システム」はレベルアップ時のパラメータの上昇に関連がある。 成長にランダム性を採り入れているDQ3ならではフィーチャーと言える (最近のシリーズではキャラのレベルごとにパラメータの数値が決められてるようで、 プレイヤーごとの個性があまり出ないようになっているらしい)。 最初の「性格判断」もいろんなバリエーションが用意されていてここだけでもなかなか面白い。 ただ、せっかく苦労して決定された性格が、 そこら中にある本を読んだだけでいとも簡単に変わってしまうのもなんだけど。
「すごろく場」はそれまでのシリーズの「カジノ」や「福引場」に相当するものだが、 カジノとの違いは専用の「すごろく券」を必要とすることである。 「カジノ」の場合、コインを買うのに金が必要なので、 私のようにケチな性格だと、他に金の使い道がいくらでもあるうちにはどうもやる気がしない。 「すごろく券」は売っているわけではなく、タンスなどから拾い集めるしかない。 逆に言えばそれ以外に使い道がないので、やることになる(どうせ余るし)。 サイコロの目はカジノのスロット以上にどうしようもないので、 ひたすら運に賭けるしかない。これを嫌う向きもあるだろう。 しかし逆に言えば誰でも粘ってればそのうちゴールできるし、 一度ゴールしてしまえばもうそのすごろく場に用はないので、 安心して「目標を区切る」ことができる (カジノだと最後の賞品を手に入れるためにはひたすらやり込むしかない=際限がない)。 しかもすごろく場には、その時点で手に入るかなりいい物が賞品として用意されていて、 積極的に利用すると戦略上もかなり有利になる。
シナリオについてだが、さすがに「ロト3部作」のカラクリについては知ってしまっていたので、 何も知らないでやったような感動を得ることはできなかった。 が、かなりまとまっていて、良くできたシナリオだったように思う。 船を手に入れた後のイベントは結構独立性が高くなってたし。 ただここでもエジンベアがどこにあるかなかなか見つからなかったんだよな。 灯台の男が「まず南下しろ」なんて言うもんだから。
シリーズで唯一「自由にキャラクターが作れるシステム」を採用している。 転職システムも、ウィザードリーのまんまと言えばまんまだけど、 プレイヤーによる個性が現れるのでなかなか良いシステムなんじゃないだろうか。 ただ、賢者を作ったとして、賢者が全部の魔法を覚える前に最後のボスが倒せてしまうので、 「転職システムを十分に楽しむ」には物足りないかも知れない、という危惧はある。
SFC版では、5以降恒例となってる「クリア後のおまけ」があり、この点を解消している。 詳しくは省くが、これのお蔭で私は3の転職を最後まで楽しめたような気がする。 というわけで、DQ3はかなりバランス良いと思います。
いきなり魔王との決戦から始まる、というのも意表をついてるが、 上の世界(夢の世界)と下の世界(現実の世界)を行き来しながら、 謎を解き明かしていく、というのはなかなか凝ったプロットだと思う。
しかしムドーを倒すまでが、決定的に退屈でバランスが悪いと思う。 まだ職業につけないのでレベル上げの楽しみもないのに、 ダンジョン内での敵の出現率が高過ぎてロクに逃げることもできない。 AIも前半ではアイテムを全く使用してくれないので使いものにならない。 結果、ますます戦闘がかったるいものとなってしまっている。 ムドーの城へ続く洞窟も長過ぎ。 で、ようやくたどり着いてもムドーが強過ぎる。
ムドーを倒すとようやく転職できるようになり、 船も手に入っていきなりシナリオの自由度が増す。 いろいろなエピソードがあるが、 ある程度どんな順番でもクリアできるようになっているのはさすが。 人魚のイベントの後の4つの武具防具はどの順番でも行けるんじゃなかろうか。
しかしエピソードの数は多いのだが、 舌足らずな印象を受けてしまうものも少なくない。 あまり詰め込み過ぎずに、 1つ1つをもっと深く掘り下げた方がよかったのではなかろうか。 特にバーバラとドラゴンに関するエピソードが、 容量の関係で削られてしまったというのは残念でならない。
また、転職システムについても疑問が残る。 というのも、一部の特技が使え過ぎると思う (攻撃は「輝く息」があれば十分、とか)。 そのために魔法の価値が相対的に落ちてしまっている (IIIで「完成された」魔法体系がもったいない…)。 そしてパーティー全員が特技を身につけていくと、 キャラごとの個性がなくなってしまい、 結果としてHPとMPの値だけがキャラの特性を決めてしまうことになる。
また、例えばチャモロなど僧侶の呪文は最初から知っているのに、 賢者にするためだけに僧侶の修行を1から積まねばならない、 などの問題もあると思う。
特技の方が使えるためにレベルアップそのものの価値も落ちている。 経験値よりも熟練度の方が大事であるために、 強めの敵と危ない戦いをするよりも、 弱くても熟練度が増える敵(海中や天馬の塔など)との安全な戦いを繰り返す方が効率が良い。 特技を覚えていくと戦闘はAIまかせで良いので、 熟練度上げの行為はまさにボタンを叩くだけの「作業」と化す。
結果としてボリューム感はDQ3とは比べるまでもないのだが、 シナリオ全体で見ると印象が希薄で、 戦闘システムも「行くところまで行ってしまった」感がある。 7ではまたシンプルな戦闘システムに戻すんだろうか。
なんかけなしまくってるように読めるだろうが、実際プレイしてる時は面白かったし、 水準以上のRPGであることは間違いないと思う(…と言えるほどRPGをプレイしてるわけではないが)。 ただ、ところどころにツメの甘いところが見られるので、 つい言いたくなってしまうのだ。 次の7ではCD-ROMの大容量を活かして納得の行く仕上がりにして欲しいものだ。
東大・中山さんのドラゴンクエストのページ
最新作DQ7に行く前に、やはりここは清算しておくべきだろうということで(大げさ)、 PS版DQ4に挑戦することに。
ロト3部作が終わり、新たなシリーズ・天空シリーズの第1作にして、 馬車システムの初登場作。 また、勇者主人公の前に、それぞれの章がある、という構成もシリーズ中独特。
第1章〜第4章は、まあおまけみたいなもんですな。短いし。 その中でもトルネコが主人公の第3章は、異彩を放ってましたね。 転売で儲けられたり、異常に敵を倒した後のアイテム入手率が高かったり (この能力が5章では失われているのが哀しかった…)。 「金さえあればなんとかなる」というのも、商人らしくってとってもGOOD。
ただ、5章で合流したときに、金が一切無くなってるのは納得行かないよなあ。 ミネア&マーニャに関してはカジノの全部スっちゃったみたいな説明があったけど、 それ以外のキャラに関しては一切説明無し。
あと、ある程度仕方ないとはいえ、王国の衛兵として鍛えているはずのライアンが、 レベル1からスタートするってのもやっぱり納得行かないものが。 んでもってクリアするといきなりレベルアップするし。
で、第5章からが本番なのですが、馬車システムによって、誰を前線に出すか、 というのがポイントになってくるわけです。しかしこれがなかなか悩みどころ。
大抵の人は、多分次のような陣形になるんじゃないでしょうか。
勇者、ライアンorアリーナorトルネコ、クリフトorミネア、マーニャorブライ
ライアンとアリーナはまあ趣味の問題ですよね。攻撃力ならアリーナ、 防御力ならライアン。まあ、終盤となると素早さと会心の一撃の出やすさからアリーナが好まれるようですが。トルネコはこの2人に比べるとやはりどうしても落ちますね。 意外性のある特殊技能は捨てがたいんですけど。 ただ、初めてのダンジョンでの「たからのにおい」と、 経験地稼ぎの際の「くちぶえ」は使えますね。
僧侶系は、クリフトだとスクルトやベホマラーが使えます。 あと完全復活呪文のザオリクが使えるのもクリフトだけです。 ボス戦では重宝しますね。 また、ザキ系も、固い敵相手には有効です。、 一方、ミネアだとフバーハが使えます。これまたボス戦では欲しい呪文ですね。 あと、「めいれいさせろ」じゃないと使えませんが、 「銀のタロット」はなかなか使いごたえがある道具ですね。
魔法使い系は、マーニャは直接攻撃能力に優れます。 ベギラゴン、イオナズン、メラゾーマといった魔法を使いこなしますからね。 また、トラマナが使えるのも、特定のダンジョンなどで重宝します。 ブライは正直攻撃力では劣るのですが、バイキルトを覚えるので、 ボス戦では重宝します。
といったように、必要な呪文が4人に散ってるので、誰を前線に出すか、 が結構悩みどころなんですよね。まあ、DQ4ってのはそれを楽しむゲームなんでしょうが。
ただ、ダンジョンによって
また、たしかDQ5だと、賢者の石やベホマラーで、馬車の中のキャラクターも回復できたように記憶しているのですが、 DQ4ではあくまで前線の4人にしか有効じゃありません。 これって、最終ボス戦とかで、馬車の中のキャラと入れ替えられても、 実はそんなに有効じゃないんですよね。 体力が少なくなったということで入れ替えても、結局体力が少ないままなので、 前線に復帰させる時はギャンブルになります。 眠ったり混乱してしまったキャラについても同様。
AIですが、FC版と違い「めいれいさせろ」があるので、 そんなにバカな印象はありません。
でもこれって全然「AI」じゃないですよね。 FC版はどうだったのか知りませんが、「学習している」という感じは全くありません。 っつーか最初っから各キャラの体力とか、効く呪文とか知ってますよね。 明らかに初対面のキャラに対しても適切な呪文を使い分けたりするし。 まあ、「超回復」(例えば麻痺を食らったときなどに同じターンでキアリクをかけたりしてくれること。 「めいれいさせろ」を使っている場合は予知能力がない限り無理)は便利ですが。
あと、トルネコの数々の「特技」はAIに任せておかないと発動しないんですね。 確かに結構面白いんですが、MPを消費しないので、 これがDQ6の「特技」へとつながったのかと思うとなかなか微妙な感じ。
「カジノ」は、結局一回もやりませんでした。 「ほしふるうでわ」はモンスター図鑑を完成させた褒美で手に入れましたが。 SFC版DQ3の「すごろく」は絶対カジノより面白いと思うんですけどねえ。
「小さなメダル」は一応「移民の町」を最終形態まで育てられれば60枚までは揃うようになってるみたいですね。 ただ今回は、他の経路でも入手できるアイテムが多かったりして、 あんまりありがたみがありませんでした。
「モンスター図鑑」は、完成させるためには攻略サイトを参考にしました。 あんまり真面目にやろう、という気はしませんでしたね。 カジノのメダルがもらえたのは嬉しかったですが。
「移民の町」はDQ7で初登場したフィーチャーらしいですね。 NPCのその後を見られる、という意味では非常に面白い試みだと思いました。 でも、大半があんまり本編と関係ないキャラなんですよね。 それと、いわゆる「出現ポイント」があるわけですが、 「世界のどこかで待ってるキャラがいる」と思っていた内は面白かったんですが、 実は同じ出現ポイントで出入りを繰り返したりしているだけで出る (つまり単なる確率の問題)、ということを知ってしまった瞬間冷めましたね。
今回のクリア後のお楽しみはなかなか気合が入ってますね。 なにしろ、表のラスボスが仲間に出来てしまうのですから。 FC版のDQ4でもデスサピロってかなり人気の高いキャラクターだったらしいですが、 それが仲間にできるというのはやはり大きいです (SFC版DQ3のオルテガは生き返らせられるだけで仲間にはできませんでしたからね)。。
また、DQ6のテリーは、中ボスとして登場したときの強さと、 仲間にした後の弱さのギャップにがっかりしたものですが、 サピロの場合、ボスとしては「進化の秘法を使ってた」ってことで説明がつきますし、 仲間にした後も充分な強さを持っているので、大満足です。 ベホマラーやザオリクやバイキルトも使えるので、 メンバー選びに悩む必要もないですしね。
というわけで、全体としてはかなり楽しませていただきました。 さあ、次はDQ7か。