漫画の部屋

金田一少年の事件簿・推理篇(バックナンバー)

※このページでは、新しい事件ほど下になるように並べ替えてあります。

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仏蘭西銀貨殺人事件

最終更新日: 1997.02.06
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葬送銀貨は誰か?

推理の材料:
  1. 美雪の「こちらのフロッピーは? あれ? これはどういうこと?」
  2. 剣持警部の「何だそんな地名も読めんのか? それは…」
  3. 身体検査のデータが記載された紙
  4. 画面に表示された「カ行」のフロッピーの中身

1は「鳥丸奈緒子」のデータが、「ト行」のフロッピーには入っていないことを示唆している。 2から「鳥丸」を京都ではおなじみの地名「烏丸」と間違えて入力された可能性が高いことを示し、 3から名前にはフリガナが振られていないことが確認できる。 そして4の最後の行「カラスマ ナ…」がこの推測を決定づけている。

ではなぜこれが犯人特定の「決定的な証拠」になり得るのか? これはつまり犯人「葬送銀貨」はト行のフロッピーを盗み出したが、 そのフロッピーからでは鳥丸奈緒子の正確な体のサイズがわかり得ないことを示している。 それにも関わらず送られてきたウェディングドレスのサイズはピッタリであった。 以上のことから、犯人は誰よりも鳥丸奈緒子の体のサイズがわかっている人物、 すなわち鳥丸奈緒子本人である可能性が極めて高い。


(個人的な感想) 推理させるプロセスは面白いと思うのだが、 はっきり言って今回の場合、最初に「殺されそうになった」時点で 「自分が狙われたふりをして容疑者の対象から外れる」という、 よくあるパターンにハマってしまっているので、 全く推理をしてない時点でも「鳥丸奈緒子が怪しい」とわかってしまうので、 そういう意味ではいまいちだったかな、と。


密室のトリックは?

こっちは実は良くわからない。 複製は不可能なのであるから、全てが本物では「不可能犯罪」ということになる。 よって考えられる可能性があるのは次の3つ:
  1. マスターキーが違う
  2. スペアキーが違う
  3. 部屋そのものが違う

3から片付けていく。実はあの部屋が317号室ではない。 このトリックは結構大がかりで、決まれば美しい。 「霧山小夜子」という表札、小夜子が握っていた317号室の鍵、 そして奈緒子がフロントで「317号室の鍵下さい」と叫んだこと、 などからみんなあの部屋が317号室であると錯覚させられていた、 というトリックである。 しかしその後の現場検証などでわからないのは不自然だし、 小夜子が握っていた鍵と扉とは合わないことになる (いくらなんでも警察だってそれくらいは確認するだろう)。 それに内線電話の通話記録とも矛盾する。 残念ながら、この線は無理がありすぎる。

次に1。「複製は不可能」と言っていたのだが、 実はホルダーと鍵の部分は簡単に取り外しができて、 317と書かれていたが実は別の鍵だというパターン。 これもその後の検証でバレずに通すにはちょっと無理がある。 死体発見のゴタゴタの隙にホルダーから外して再び元に戻す、 ということも考えられなくはないが、誰かに見られたら終わりだし、 危険が大き過ぎると思う。やっぱり却下。

ということで最後の「スペアキーが違う」。 つまりフロントに預けてあった317号室の鍵はニセモノであった、というもの。 フロントからスペアキーを受け取ったのも、 それを金田一に渡したのも奈緒子本人なので、 ここでニセ物を本物とすり替えることは十分に可能。 ではいつフロントの鍵をニセ物とすり替えたのか? その機会が鳥山奈緒子にはあったのか?

あった。

彼女はホテルについて早々、アクセサリーを取りに行くために、 小夜子の部屋のスペアキーを取りにフロントまで行っている。 これを返す時にニセ物の方を返せばこのトリックは十分に実行可能である。


以下ではこのトリックと伏線との合致を検討してみよう。

さて、どれくらい当たってるかな?

(1997.01.31)


追記です。

今回の推理クイズに当てはめると、(1)の犯人、(3)の密室トリックはほぼ正解でしたが、 (2)の「奇妙な行動」がわからなかったので、「真相」欄は△ということにしておきました。

「鍵をすり替える」時に何の鍵を使ったのか、 まで考察が及んでいればここまで読めたかも知れなかったのに、残念でしたね。

(1997.02.06)


魔神遺跡殺人事件

最終更新日: 1997.05.26
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魔神具のありかはどこ?

うーん、単に七つの鏡を1から順番に辿っていくと、 「閻魔地蔵」に行きつくんですけど、これでいいんでしょうか? あまりに単純過ぎるような……


「凶鳥の命」は誰?

ダイイングメッセージを解釈すると、 日めくりカレンダーの2月27日と28日をちぎって死んでいた。 ということは残っていたのは3月。 ということでお手伝いの「弥生」さん、ってのはどうでしょうか。 うーん、地味過ぎる。意外性はあるけど。


密室トリックは?

今回、推理クイズの問題にはなってませんが、 これが解けないと簡単過ぎて、解いた気がしませんね。 でもわからないっス。なさけない。

ヒントは

と言ったところです。「ガス洩れ騒ぎ」は、館中の窓と扉を開け放させて、 七鏡に映る魔神具のありかを探るため、という解釈もできますが、 他の奴に知られる危険が…。そもそもあの館の見取図を見れば、 誰でも気づくと思うんだがなあ……。

(1997.05.06)


密室トリック・追加

改めて考えてみると、真相は一つしかないような気がしてきました。

犯人は結局鏡扉を開けずに、中の犯人を絞殺したに違いありません。 ということは、あの小窓を使ったに違いないのです。 問題は、被害者がそんな小窓の近くに都合良くいるのか、 ということですが、そこでガスを使って誘導するんではないでしょうか。

この方法の欠点は、腕が1本通るかどうか、くらいの小さな窓から、 中の人の首を絞められるか、ということです。 鳥にヒモを結び付けて誘導する、とかすれば簡単そうですが、 不確実ですよねえ。

(1997.05.07)


解答篇

凶器以外は正解でしたね。凶器は最後に出てきた鳥を捕る道具でしたか。

しかし献立までは気が回りませんでした。 犯人を特定する要素はダイイングメッセージだけじゃなかったんですね。

それにしてもダイイングメッセージ物はいつも納得行かない何かが残りますね。 被害者が死の間際にそこまで頭が回るか?というところがどうしてもひっかかります。

(1997.05.26)


氷点下15度の殺意

最終更新日: 1997.06.24
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今回の推理にはK"s JAMのKKさんが協力してくれました。 KKさんサンキュー!


トリックとは?

今回の事件でトリックを使うとすれば、次の2つしか考えられない。
  1. 凶器のトリック
  2. アリバイのトリック
1の凶器のトリックは、スキー板のカバーの中に入れてあったのは、 実はスキー板ではなかった、というもので、 このトリックを使う意味がある人物は、 唯一スキー板を持ってきていないマネージャーの鈴森に限定される (それ以外の奴は自分のスキー板を使えばよい)。 まあ、わざとトリックを使ったように見せて鈴森の犯行に見せかける、 というのも考えられなくはないが、金田一少年ではそこまでやらないので却下。

一方、2のアリバイのトリックは、 実はカメラに映っていたのは実際の犯行の場面ではない、という場合で、 この場合トリックを使う意味があるのは、 唯一10時前後のアリバイがはっきりとしている春田だけに絞られる (他の者はみなアリバイが曖昧なので、使う意味がない)。

アリバイトリック(があったとして)の問題点は、 カメラに映っているのが偽りの襲撃シーンだったとした場合、 単独犯では難しいことである。つまり被害者・白峰役と犯人役の最低2人が必要となる。 それに白峰はいつも10時頃に雪質チェックを行っていたらしいので、 何らかのトリックを使って多少の時間をずらせたとしても、 結局アリバイを確保できるほどの時間は作れないと考えられる。

事件自体、白峰自身が協力している「狂言」という可能性もある。 しかし狂言で頭蓋骨にヒビが入るほどの強さで殴るとも思えないし、 何より最後に金田一が「犯人はこの中にいる」と言っているのに矛盾する (白峰は入院中であの場にはいないはず)。

以上より、2の線は捨て、1の線で考えることにする。 つまり凶器のトリックであり、犯人は鈴森である。 どのような凶器であるかはまた後で検討する。

なお、赤穂のスキー板から検出された血液反応は、 白峰がチューンナップの最中に怪我してついたものだと思われるので、 今回の事件とは無関係であろう(おそらく犯人も予期はしてない)。


ジャケットの謎

さて、今回金田一が犯人を特定するに当たった手がかりの一つが白峰の「ジャケット」 である。これは常温では青だが、低温では赤く変色するというものであるが、 合宿の前日に買ったものであるため、この「変色」の事実を知っているのは、 白峰以外は金田一、美雪、赤穂の3人だけである。 このことが「犯人の表したボロ」になるはず。

ここで金田一が白峰を発見した時のジャケットの色は明記されていない。 これが「青」だったということになれば、実は犯行は今しがた行われていたのだ、 というアリバイ崩しの鍵になるのだが、 前項の検討より今回はアリバイトリックが使われていないので却下。

ポイントは鈴森の喋った「赤いウェア」という一言。 カメラの映像も白黒だったので、 寒いところにいる白峰を見たことがなければ、 彼のジャケットが赤いということはわからないはず。 このことから犯人は鈴森。 これは「凶器のトリック」が使われてる、とした前項の検討とも一致する。

鈴森は10時前後のアリバイも思いっ切りないので、 凶器の問題さえ解決すれば後は問題なしである。


凶器は何?

最後に凶器は何なのか、ということであるが、 雪山での凶器と言えばこれはもうお約束のように氷と相場が決まってる。

乾燥室には使い捨てのタオルと水道があるので、 タオルに水を含ませて外に放置しておけば、長い棒状に凍るであろう。 これをスキーカバーの中に入れれば、立派な凶器となる。 犯行後、タオルは乾燥室に置いておけば、 融けたついでに蒸発・乾燥して、痕跡は残らない。

とまあ、今回の推理はこんなところであるが、 なぜわざわざジャケットを人目につくように埋めておいたのか、 などとまだ謎は多い。 動機は多分、鈴森は渋沢の恋人だった、とかなんとかそんなところだろうか。

(1997.06.18)


解答篇

まあ、ほぼ正解ですね。敢えてもう一押しするとすれば、 赤いジャケットを見たということは 鈴森は「風邪のため一歩も外に出ていない」と自ら言っている発言と矛盾する、 という点でしょうか。

また次回も3週完結のスペシャルファイルらしい。

(1997.06.24)


誰が女神を殺したか!?

最終更新日: 1997.07.16
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今回の推理もK"s JAMのKKさんが協力してくれました。サンクス!


犯人は?

犯人は美術準備室にガラス片を落した人物でしょう。 ガラス片はコンタクトレンズ。 というわけで、犯人は汐見。

なぜ彼女が目が悪いのか? それは「取り調べ」の時に、 金田一の後ろに時計があったにも関わらず、 彼女はそれに気づかずに時間を聞いていたことからわかる (これが金田一が後ろを振り返って「妙だな。だったらなぜあんな…」 とつぶやいたことだと予想する)。

こうすると、彼女が前日にパスを落したのに気づいたのは、 当然まだレンズをはめていたから、でいいのだが、 なぜ翌日絵についていた傷のことがわかったのか、というのが謎として残る。 理由として考えられるのは、

  1. レンズをはめていた時に見て、知っていた
  2. 彼女自身が傷をつけた当人であった
  3. ある程度以上離れると良く見える極端な遠視だった
などであるが、これははっきりしない。 まあ、あまり今回の事件の本質と関係ないような気がするので、 とりあえずほっておくことにする。


アリバイトリック

4時半以降は美術準備室に入ることができなかったはずなので、 犯行はそれ以前に行われたと見るのが妥当。 というわけで、彼女のアリバイのない4時までの間にビーナス像で犯行が行われ、 鍵を締めておいた。 では5時に撮影された時に7体揃っていたのはなぜか?

写真に写っているビーナス像が2体とも横向きであるのがポイント。 つまり、残った1体を糸ノコで切って2つに分け、 それぞれを横向きに棚に置いておいたのだ。 これで美術準備室にモチーフとして残しておいた1体がなぜ棚に戻されていたのか、 の説明もつく(モチーフは凶器に使われたのだ)。 糸ノコも説明がつく。 そして残りの石膏像が見分けがつかないほど粉々に砕かれていた理由もわかる。 実際には6体分しかなかったことを気づかれないようにするためである。

犯人は写真撮影が終わった5時以降に美術室に入り、 残りの石膏像を粉々に砕いたのであろう。美術準備室に入るには鍵が必要だが、 美術室に入るにはいつでも誰でも入れた、というのがポイントである。

ちょっと謎も残っているが、だいたいこんなところであろう。

(1997.07.10)


解答篇

まあ、正解ですね。結局あの絵の傷は「見えたフリをしていた」だけだったわけですね。 確かに話を合わせてるだけですもんね。

それにしてもスペシャルファイルはちょっと簡単過ぎるぞ(笑)。 もう1回あるらしいんですが (明智警視が出てくるらしい)。

「次は犯人じゃなくって話の展開を当てろ!」と無茶なことを言われてたりもする(笑)。

(1997.07.16)


明智警視の事件簿

最終更新日: 1997.08.06
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犯人の条件

今回の事件は犯行を行える条件が非常に限られている。 という条件を見たすとなると、 犯行を行うためには物理的に3輌目に入る必要があるわけで、 この条件を満たすのは車掌の八木か女子高生の鹿沢しかいない。

しかし両者とも犯行を行う暇はなかった。 よってこれは「犯行時間を誤認させるアリバイトリック」が使われている。 つまり、江熊はもっと前に殺されていたのである。 もし鹿沢が犯人だったとすると、 すでに殺されていた江熊の死体に八木が気づかないはずはないので、 これも却下。というわけで、犯行を行うことができたのは八木だけである。


トリック

駅から乗り込んで来たと見られていたエンジのコートを羽織った男は、 実は八木自身だった。恐らく起川と五品の間を走行中に江熊を殺してしまった八木は、 江熊のコートと帽子を羽織り、五品駅で客としての1輌目から乗り込む。 そして3輌目に入った時点でコートと帽子を脱ぎ捨て、 今度は車掌として3輌目から現れる、という寸法である (有名な某小説のトリックだなあ……)。 「犯行」を行う時間はなくとも、 コートと帽子を脱ぎ捨てるくらいの時間はあったであろう。


矛盾した証言と物証

今回の問題になっている「矛盾した証言」と「物証」であるが、 恐らく次のようなものではないか。

もし江熊が本当に五品駅から乗ってきたのならば、 車掌である八木は当然彼が乗り込むところを見ているはずである。 従って乗ってきたばかりの彼に対して 「乗り越し清算はないか」と聞くのはおかしい、と。

もし江熊がからすヶ丘まで1駅分の切符しか買ってないで、 終点の不動山まで行くつもりだったとすれば、 終点には改札があるのだから車内で清算をする必要はない (でも五品にはそもそも改札がないんだから、切符を買わずに乗る、 ということだってできると思うんだが)。 まあ、「矛盾」と言い切るにはちょっと力弱いが、こんなところではなかろうか。

一方「物証」の方は、犯行に使われた江熊の傘に、 江熊自身の指紋しか残っていなかった、ということではないか。 つまり犯人は傘での犯行に及ぶ際に手袋をしていた。 普段から手袋をしていても怪しまれないのは車掌である、 という……(ああ、これも超有名な某小説の論理……)。

また、証言中に現れる「江熊」が手袋をしているように見えるのに、 現場には手袋のようなものは一切残されていない、というのもあるかも知れない。


残る謎

これで一応筋が通っているように思うが、2つの決定的な矛盾点(謎)が残る。
  1. 五品駅では、誰が扉を閉めたのか?
  2. 本物の江熊は、いつ車輌に乗り込んだのか?

1は、車掌の八木自身が五品駅では客として乗り込んでしまったわけで、 これでは扉を閉めることができない。

これに対する一つの解は、明智警視の「相当古い車輌ですね」という言葉。 つまり、客自身が扉の開け締めを行うような、古い車輌だったと考えれば、 納得できる。 しかしそのような場合でも恐らく車掌から運転手へと 出発OKの合図のようなものを送る必要はあると思うので(客が扉にはさまってたりしたら大変だ)、 やっぱりこれは無理があるような気がする。

2は、もし他の人の証言が全てその通りだったとすると、 本物の江熊が3輌目に乗り込んだのがいつなのか、説明がつかないというもの。 これに対する回答は2つ考えられる。

1つは起川で、国東が乗り込んだ後に遅れて発車直前に3輌目に乗り込んだ、というもの。 国東は「起川で乗り込んだのは俺1人だったと思う」と言っているが、 電車が来るのを待ってたのが彼1人だったというだけで、 自分が乗った後に乗り込んできた客のことまでは知らないだろう。

もう1つは、双子山遊園地駅に向かう電車から乗り越してずーっと乗っていた、 というもの。 しかしその場合、3輌目にはあらかじめエンジのコートを着た男が座っていたわけで、 いくらバイトで爆睡するほど疲れていたとは言え、 金田一少年がそれに気づかない、とは思えないので、これは苦しい。

どちらにしても、いまいちすっきりしない回答ではある。

(1997.07.30)


矛盾した証言・改

KAIさんよりメールをいただき、「矛盾した証言」について指摘されました。

矛盾した証言は、八木が取り調べの時に、 能代のことを「居眠りをしていた」と言ったことです。 八木の証言が本当ならば、 八木が能代を見た時にはすでに運転席のドアを叩いていたはずなので、 居眠りしていたところは見ていないはず。 つまり、エンジのコートを着ていた男はやはり八木だった、ということでしょう。

しかし結局2つの矛盾点は解決しないままですね……。

(1997.08.01)


解答篇

まあ、正解ですね。「残る謎」の2の方は、起川で国東の後から乗り込んできた、 ということでまあ良しですが、結局1の方(誰が扉を閉めたのか)は解決しませんでした。 これははっきり言って問題作成者のミスと言っていいでしょう。

まあ、前にもいつの間にか年齢が変わってる、なんてのもありましたけどね。

(1997.08.06)


速水玲香誘拐殺人事件

最終更新日: 1997.10.21
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今回は正直言って難しいです。まだわかってません。 しかも問題篇が6回と短かったのに、解答篇まで間がないし……。 でも何も書かないと逃げたと思われるので(^_^;)、整理する意味でもいろいろ書いてみます。

なお、今回の推理には研究室の Y.AYA氏が 協力してくれました。


わかっていること

まずは、わかってることをツラツラと書いてみる。


アリバイトリック

今回の目玉はやはりこのアリバイトリック。 アリバイトリックには大きく分けて時間をずらす方法と空間をずらす方法があり、 空間をずらす方法としては、 実は東京の近くにあの小屋そっくりに作られた犯行現場があった (河口湖の小屋は後から偽装した)、というようなものが考えられるが、 今回はそこまで大がかりなトリックが使われた気配はない。 よって時間をずらしたものと断定する。

結局捜査陣が殺害を「12日の正午」と断定したきっかけは、玲香の証言と、 13日に入った道化人形の「昨日殺した」という電話だけである。 後者は犯人自身の言葉だからどうやって玲香にあれが「12日の正午」 であると思い込ませたのか? そこにトリックがある。

このアリバイトリックは殺害現場にいた証言者(玲香)と、 東京の捜査陣との間に認識している「時間のずれ」が存在するんだと考えられる。 ただし犯行時間が「正午」であることは間違いないようなので (天窓の上に大きなライトを設置して昼と夜をごまかす、 などという大技も考えられるけど、そこまではやってないでしょう。 サイレンもあるし)、つまり実際の犯行時間は「12日の正午」ではなくて、 「11日の正午」または「13日の正午」なのではないかと想像する。

以下、タイムテーブルを見てみる。
時間 東京 アジト
11日AM5:30以降   2人、写真を撮られる
11日AM8:00 脅迫状届く  
11日午後 道化人形から電話 玲香殴られる
12日AM7:00 道化人形・指定の時間  
12日AM8:30 金田一、橋から落下  
12日正午   安岡殺される
12日PM3:00 ここまで全員のアリバイあり  
13日PM3:00 道化人形から「殺した」と電話  
13日夕刻? 玲香発見  

と、表にしてみたが、右の「アジト」は上下のどちらかにずれているのではないか、 というのが推測である。

このうち、「写真を撮られる」→「脅迫状届く」の順番だけは変えることができない。 ということで写真に日の出が見えるというのならば、11日のAM 5:30以降なんだろう (太陽が写っているというだけでは10日の夕刻や朝という可能性もあるが、 それではまだ誘拐されてないだろう)。

とすると実際の殺害時刻が「11日の正午」であったとは考えにくい。 いくらなんでも(写真を撮られてから)まだ6時間しか経っていない正午を、 玲香が「12日の正午」と勘違いするとは考えにくいからである。

よって実際の殺害時刻は「13日の正午」であったと考える。 こう考えると全員に犯行は可能だし、 玲香は気絶させて、靴にわざと山中を歩いて来たかのように泥をつけておけばよい (だから傷はついていない)。 そもそも玲香が「12日の正午」だと思い込んだきっかけは安岡の 「今日の取り引きはうまく行ったかな」という言葉であった (だから安岡が元々共犯の可能性も高い。 「狂言誘拐で1億を騙しとろう」と持ちかけておいて、 実は真の目的は安岡を殺すことだったわけ)。

問題はどうやって、「空白の一日」を玲香に認識させないようにずらしたのか。 玲香を殴った時に丸一日以上眠らせていたのだろうか? 気絶させておけば気づかない、ってもんでもないと思うんだが。

あと、金田一が調べていた「髭」も謎。 上の推理から行くと一日分多い、ってことになるのだが…。 虫眼鏡使って調べてるんならば長さがポイントのような気もする。

最初の写真を撮った時点ですでに12日だった、というのならば結構美しい。 それまでは薬で眠らせておく、などすれば十分可能だと思う。 それならば写真撮った直後に髭を剃らせた時点で実は2日分伸びてるので、 金田一の行動も理解できる。 しかしそれだと写真を11日のAM 8:00に届けることができなくなってしまう。 同じアングルで2回撮る、ってのも考えたけど、 写真に写ってる玲香はちゃんと目を覚ましてるし。


残る謎

(1997.10.02)


発売直前、タレコミ

推理クイズの締切は月曜なのでもう過ぎてしまったし、 生協ではマガジンが一日前に手に入るので、今はまさに発売直前状態ですが、 タレコミのEメールをKAIさんよりいただいたので紹介します。

トリックに関してはほぼ上の推理通り。 安岡は元々共犯で、玲香に犯行が12日だと誤認させるために、 11日に殴った後睡眠薬等を使って一日以上眠らせておく。

で、肝心の犯人の特定ですが、 安岡真奈美が金田一に対して 「踏み板が外れたなんて言い訳にならないわ」 と言った一言が決め手。 剣持警部はロープが古くなって切れたと思っていましたし、 関係者にもそう伝えていたはず。 しかし犯人の「道化人形」は予め取り引きが失敗するように、 踏み板に何らかの細工をしていた。 これを知っているのは犯人のみ。 ということで、真奈美が道化人形だ、という推理です。

なるほどねえ。金田一が事件後に踏み板を調べていたのはそういう意味があったのか。 さて、この推理が当たっているかどうか、確認してきます(^_^;)。

(1997.10.07)


解答篇・検討1

さて、上述のKAIさんの推理でほぼ正解でした。

ところで、「道化人形」に今回の計画を授けた「真犯人」は、 どうやら関係者の中にいるようです。 計画にない行動を取った三田村は除外できるでしょうし、 この事件で何も得るところのない鏑木も違いそう。 となるとメイクの逆井か社長秘書の小渕沢ですが、過去の経歴が謎、 というところからしてっぽいですね。 正体は「地獄の傀儡師」の高遠と見た(←まだ言ってる)。

でもまだ「怪盗紳士」も再登場してないのに、 高遠が再登場するかなあ?

(1997.10.08)


解答篇・検討2

あらためて検討してみますと

ってなところでした。

動機はまあこの手のではよくある話でしたね。エサは遺産目当てで。 三田村は結局玲香のホントの母親みたいですね。 玲香の母親ってどんなことになってたんだっけ? しかし父親だと思ってた人が誘拐犯で、実の兄は殺人犯になって死んでしまい、 本当の母親は名乗らない女優って、 玲香ちゃん、あなたの人生って一体……。

「道化人形」は死んじゃいましたね。犯人が死んじゃうのは結構久しぶりな感じがします。 そして、真犯人の正体はやはり「地獄の傀儡師」の高遠遥一でした(パチパチパチ)。 というわけで、今回は真相は「○」ということにします(←いいのか、それで?)。 しかし魔術列車殺人事件の時には母親が殺されたことに対する復讐、 という目的があったのに、今回は彼にとっては何のメリットもなかったんですよね。 単なる愉快犯に堕ちてしまいましたね。結構キャラ的には好きだったんですけど、 ちょっと評価落としました。 だいたい、あんたが自慢するほど芸術的なトリックでもなかろう(^_^;)。 偶然の要素にたよりすぎ。

(1997.10.21)


明智警視の事件簿2

最終更新日: 1997.10.29
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今回のは簡単過ぎるような……

三矢のカードはスリーカード。しかし彼は直前に手札の交換はしていない。 そんなに強い手役でもないスリーカードなら、残りの2枚ないし1枚を交換して、 フルハウスなりフォーカードなりを狙うのが普通ではなかろうか?

そこで猫田の握っていたカードを見てみると、ダイヤの7がある。 実は三矢の手役はこのダイヤの7が入っていて、 エース3枚と7が2枚のフルハウスだったのではないか? フルハウスならば普通交換はしないはずだから。 それを停電の際にとっさに入れ替えて、 赤菱が犯人であることを示すダイイングメッセージを、 無理矢理作ったのではないか?

あるいは猫田のカードと全部をそっくり入れ替えた可能性もある。 猫田はカードを2枚チェンジしているので、スリーカードができてた可能性は高い。 この場合、三矢は最初からダイヤのフラッシュができていたわけで、 その場合もやはり交換はしないだろう。 いずれにしても犯人は三矢で間違いはないと思うのだが……。

どっちにしろ、あんな無理矢理なダイイングメッセージを、 とっさに考え付くなんて漫画でもなきゃあり得ないことである(^_^;)。

(1997.10.29)


1/2の殺人者

最終更新日: 1997.11.26
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ひー、今回のは難しいや。 わからん。しかも今、それどころじゃないので、降参します。

とりあえず、判明してることを箇条書にしてみました。

結局犯人はわからず。「左利き」(←これはミスリーディングくさいけど) 「海に行っていた」「素晴らしい夜景」あたりがポイントのようですが…。

(1997.11.21)


直前タレコミ

例によって直前になってKAIさんからのタレコミが届きました。 毎度ありがとうございます。

ポイントは犯人は被害者を追いかけて階段を降りなかった、という点。 犯人は非常階段の26階の出口付近で被害者を刺した後、階段を降りていく被害者を追わず、 エレベータで25階に降り、そこから非常階段に出て確認したと考えられます。 よって犯人は「ジャングルジムから落ちて複雑骨折をしたことがあり、 一人だけ2階に宿泊している、高所恐怖症の紅子」の方である、 と推測できます。 もっともひまわりが何のために使われたのかはいまいち謎ですが、

(1997.11.25)


答え合わせ

はい、今回は素直に負けを認めます(^_^;)。

まあ、しかしミスリーディングの多かったこと。 ひまわりをバラまいたことにはほとんど意味がないじゃないですか(^_^;)。 納得行かんなあ。 なぜ25階まで行ったんなら、そこから扉を出て見ようとしなかったのか?

(1997.11.26)


聖なる夜の殺人

最終更新日: 1998.01.07
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トリック

被害者は最初から106号室に監禁されていた。 104号室には予め格闘の跡やひきずられた跡をつけておく。 あとは、被害者本人に自分のいるところが104号室だと誤認させれば良い。 これは窓からクリスマスツリーさえ見えればよいようなので、 どうにでもなるだろう。 (でも具体的にどうするかは思いついてない^^;)

犯人

このトリックを実行する上で肝心なのは、 被害者がコテージに電話をかけてきた時点では、 実際には誰も被害者を襲うことはできない、 という点である。 従って、実際には電話で悲鳴を上げることもないし、 いつまでも助けに来ないのに業を煮やしてまた電話をかけてくることも考えられる。

よってこれらの問題を解決し得るのは、被害者の彼女である秋吉だけである。 金田一が被害者から「104号室」という言葉を引き出したのを確認し、 すぐさま電話を奪い、「被害者が悲鳴を上げた」と言って電話を切ってしまう。 そしてコテージに残るフリをして、モジュラージャックを抜いておく (こうすることで、被害者がまた電話をかけてきても無視される)。 あとで暇を見つけて106号室に殺しに行けばよい。

(1997.12.10)


真相

犯人、トリックはほぼ正解ですね。ただ見てないはずの犯人が漏らしてしまった 「ツリーの飾りの点滅」には気づかなかったので、真相は△にしておきましょう。

(1998.01.07)


魔犬の森の殺人

最終更新日: 1998.03.23
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今回は難しい……。いや、スタッフのメンツがかかってる、というのもうなづけます。


ダイイングメッセージ

「メロンがトマトを潰している」、というのは、 果物の中での仲間外れ(トマト)を、犯人(メロン)が潰している、 すなわち犯人はメロンである、ということを意味していると思われる。 「仲間外れ」は、唯一名前に数字が含まれない「渡辺」自身を表していると思われる。 問題はメロンが誰か、ということなのだが……。

(えーっ、もう終わり??)

(1998.02.19)


ダイイングメッセージII

昨日の続き。次はメロンの検証に入る。 その前に、「金田一が一番格下」ということについて。 これは数字の大小でしょう。というわけで、 登場人物を「格」順に並べてみると…

  1. 萬屋
  2. 千家
  3. 百田
  4. 五十嵐
  5. 八尾
  6. 七瀬
  7. 参道
  8. 二ノ宮
  9. 金田一
という順番になる。

さて、メロンが一体何を意味するか? 現場に残された果物(&野菜)は

リンゴ、ミカン、キウイ、バナナ、ナシ、ビワ、メロン、トマト

単にメロンを「一番格上の果物」と取ってしまうと、 「萬屋」を意味することになるが、「萬屋」はすでに死んでいるので駄目 (「萬屋」が実は生きている、という可能性も検討したが、 死体の検証までしているからいくらなんでも無理だろう)。

残された果物(&野菜)は8つ。渡辺が襲われた時点での残り人数も8人 (すでに参道と萬屋が殺されていたから)。というわけで、 残りの8人の中で最も格上の人は?というと、今度は「千家」になってしまう。 今回の事件の場合、金田一、美雪、八尾、千家の中に犯人がいる、 と考えるのは非常に無理がある。この4人は八尾の別荘が燃えてしまった、 という偶然から一緒に泊まることになったのであって、 自分が嫌疑から外れるようにと立てた計画犯罪とは相容れない。 もっとも、毒キノコで酔ったフリをして、 実はワザと灯油をまいて別荘を消失させた、という可能性もなくはないのだが(^_^;)。 この可能性については後で千家犯人説を検証するにて検討する。

では、次は果物を数字と結び付けてみる。

無理矢理当てれば「トマト=10」とも取れる。 となるが、6に対応する名前を持つ人はいない。 例の「格リスト」で6番目に位置する人は、というと七瀬美雪になってしまって、 これも犯人たり得ない。困った。

あと可能性のあるのは「部屋順」である。 渡辺が部屋の割り振りリストを見た時に「ははは、偶然にしてはできすぎだ」 と言っていた。 これは単に突然現れた4人も数字の名前を持っていることに気づいただけ、 の可能性の方が高いのだが(直後にクイズを出してるし)、 「見取図」や「館の構造」がやけに強調されているところが気にかかる。 もしかしたら部屋の並び方の順番にも何らかの法則があったのかも知れない。 しかしどこにも館の見取図や部屋の割り振りの情報は掲載されていないので、 それを元にしてダイイングメッセージを解読するのは(読者には)無理だと思う。


ヒゲとコンタクトレンズ

なんか「すごいよ!!マサルさん」のタイトルみたいになってしまったが、 萬屋のヒゲが剃られていたこと、 およびコンタクトレンズがそのままだったこと、の理由を検証してみよう。

そもそもコンタクトレンズをしないと危なくて歩けないような人が、 コンタクトをはめずにヒゲを剃ることができるのだろうか? というわけで、考えられる可能性を挙げる。

  1. コンタクトをはめて髭を剃った後殺され、殺害後犯人がコンタクトを戻した
    わざわざコンタクトを戻す理由が全くない(^_^;)。却下。

  2. 髭を剃り、コンタクトをはめようとした前に殺された
    これは可能性としてはあるだろう。 コンタクトをはめずに髭を剃れるかは別にして。 この場合、さすがにコンタクトはめずに釘が打てるとは思わないので、 釘で塞ごうとしてる最中に殺された、というのは偽装になる (後述)。

  3. 髭を剃る前に殺された。殺害後、犯人が髭を剃った (しかしコンタクトをつけるのは忘れたor知らなかった)
    実際の殺害時刻はずっと前だったのを、 犯行時刻をごまかすために偽装した、というケース。 しかしこの偽装は、偽りの犯行時刻(この場合朝以降)に 確固たるアリバイがあるような場合でないと意味がない。 朝以降は誰にもアリバイがないのだから、こんな偽装をしても意味がない。 また逆に、実際の犯行が真夜中だとわかったところで、 やっぱり誰にでもチャンスはあったので、意味がない。

    参道と萬屋の殺された順番が、実は逆である、というのはあるかも知れない。 実は先に萬屋が殺され、次に参道が殺された。 こうだったとすることで唯一嫌疑を外れるのは参道その人だ。 確かに参道が本当に死んでいるかどうかの確認はされていないような気もする (「死体」発見直後に犬が襲ってきて、みんなで閉じこもってしまった。 参道は恐らく外側に残されたままだろうし)。 しかしそうだとすると今度は参道が中に入ることができない。 内部に共犯がいるのか? だとすると百田が限りなく怪しいのだが……。

    あ、駄目だ。千家が「朝、萬屋さんを見た」って証言してる。 千家が犯人じゃなければ嘘をつく理由がないからなあ。 とすると千家&参道の共犯でない限り、この説も駄目だなあ……。

  4. 眼鏡をかけてる時に殺された
    コンタクトレンズをつけてるものが眼鏡も持っているというのは珍しくない。 顔を洗い、髭を剃る時には眼鏡をかけてて、その後レンズをはめる、 という手順になっていたのかも知れない。 しかしこの場合でも特に手がかりにはならない。 殺す時に割れた眼鏡が犯人を示す手がかりになってしまった、 とも思えないし……。

犯行現場と時間の偽装

萬屋が殺された時間と場所が偽装されている、というのは正しいような気がする。 壁を塞いだ後に殺されたように見せかけることで、 「ケルベロスを内側に閉じ込めてしまった」ことにし、 次の殺人が起こってもおかしくない、とみんなに思わせることができる。

水道管が壊されていたのは、実際に殺されたのが別の場所であることを示す。 実際にあの場で殺されていた場合には大量の血が流れていないと不自然だが、 水が吹き出していることで流されてしまったかのように見せかけることができる。

ただ、何度も言ってるように、これを偽装したからと言って、 特に誰かが嫌疑から外れるわけではない、というのが問題である。 わざわざそこまで偽装するメリットが見当たらない。


小ネタ

釘のシーンに「!?」がついてたのは、 あの釘がずっと置いてあったものにしてはあまりに新しいことだろう。 もちろん、犯人が計画のために持ち込んだものである。 全員を内側に閉じ込めるためと、 ケルベロスの爪でやられたように見せかけるための凶器としても使っている。

音の出ない笛はもちろん犬笛ですね。 犯人はこれで野犬の襲撃のタイミングをコントロールしてたわけですな。

口紅のついたビールの空缶
参道が死ぬ間際に飲んでいたビールの空缶だと思うのだが、 「寝つけずに飲んでいたのに、口紅がついているのはおかしい」 という意見が。これについてはまだわかりません。

新解釈

ここでは、今までの検討からは出てこないような画期的な説を取り上げる。


千家犯人説を検証する

ここでは、検討していく内に急浮上した「千家犯人説」を検証する。

と、まるで全てのピースがピッタリはまったかのように決まる「千家犯人説」なのだが、 最大の弱点はやはり「金田一たち4人は、八尾の別荘が不慮の事故で焼けたことで、 あの研究所跡地に行くことになった」という点であろう。 この不自然さが解決されない限り、どうしても千家犯人説には疑問が残る。

(1998.02.20)


答え合わせ(犯人編)

やはり千家だったか…。準レギュラーの彼を犯人にするとは、 思い切ったことをしますなあ。

今回はやはり難問だったようで、Eメールも過去最多の4通もいただきました。 いつも鋭い推理を送ってくれるKAIさんを始めとして、皆さんありがとうございました。 しかし皆さんも千家が犯人であるとするのはやはり抵抗があったようです。 私も結局断言できなかったので結果は「△」にしておきましょう。

ダイイングメッセージの解釈や、 アリバイトリックなどについてはほぼ千家犯人説を検証するで述べた通りです。 問題はあの施設へ行くまで、なんですよね。

説明では、千家がみんなを知らず知らずのうちに誘導した、 いわゆる「魔術師の選択(Magician's Selection)」を使った、ということになってますが、 本当にこれが可能でしょうか? 毒キノコを盛ったのは金田一、火をつけたのは美雪、先頭を歩いていたのは八尾、 灯りを発見したのは金田一、とほとんど千家の入り込む余地はありません。 懐中電灯を持って先頭を歩いていたのは千家らしいのですが、 8号を見返してもそのような記述はありません。 これはちょっとアンフェアだと言わざるを得ないんじゃないでしょうかね?

また今回の犯行は計画的なものだったようですが、 後から警察が入れば一目で見破られる偽装ばかりなのも気になりますね。 おそらく釘でつけたと思われる犬の爪痕もすぐバレるだろうし、 髭の剃り痕も生きてる時に剃ったものとと死んだ後とでは全然違うでしょうし (生活反応、とかいうんだっけ?)。 とりあえずターゲットの4人を殺すことだけが目的で、 そのあと無罪となって逃げるつもりはなかったんでしょうか?

(1998.02.26)


答え合わせ(アリバイトリック編)

まあ、だいたい予想通りですね。 しかしあのかじってたパンの中に犬笛を隠してたとこまでは読めなかったなあ。 蛭田先生はそこまで完璧に当ててましたね。 あと、窓を塞ぐように誘導してたこととか。

まあ、しかしここまで当たってればトリックは「○」でいいでしょう。

(1998.03.05)


まとめ

真相はまあ良くある話でした。まあ、結構いい線行ってたんで、「○」です。 二ノ宮は完全にミスリードのための人でしたね。

千家は金田一のことはよく知ってるはずなので、 金田一がいるとわかってたらこんな無茶な計画を立てはしなかったはず。 金田一がついてきてしまったのが最大の誤算、ってところでしょうな。 というより、金田一がついてきたのは美雪が行くから、ということなので、 彼の最大の失敗は美雪を誘ってしまったことか? (あれ、自分で誘ったわけではなかったんだっけ)

(1998.03.23)


明智少年の華麗なる事件簿

最終更新日: 1998.05.01
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なぜか大学から更新してます(笑)。手元に「資料」がないので、 ちょっといい加減になりますが……。


犯人は誰?

不自然な点とは、軽くて簡単に運べる木の台があったのにもかかわらず、 なぜか犯人は重い金属製の台の方をわざわざ使った、ということだろう。

かおるは「重度の高所恐怖症」らしいので、台の上には乗れないので却下。 赤沢は、1話目で自分で木の台を使って登ってたので、 わざわざ金属製の台を使う意味はない。

というわけで犯人は和島。なぜ木の台を使わなかったのか、という点については、 ちょっと弱いが、彼のあの体格と背(180cmくらいあるらしい)からして、 木の台に乗った時に壊れてしまうのを恐れたんじゃなかろうか?

それにしても「和島尊」で「ワトソン」だったのね。これ書くまで気づかなかった…。

(答え合わせ編の更新はずっと先になってしまうと思います。 外れてたら笑ってやって下さい)。

(1998.04.18)


答え合わせ

はい、正解でした。まあ、今回のは簡単でしたね。ミスリードも見え見えでしたし。

(1998.05.01)


鏡迷宮(ミラーラビリンス)の殺人

最終更新日: 1998.05.14
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今回はヒントが少なくて難し目だと言う話ですが、 それほど難しくはなかったような…。 ただ、手元に「資料」がないので、固有名詞などがわかりません。

あと、この推理内容とほとんど同じ内容のタレコミEメールを KAIさんからいただきました。どうもいつもありがとうございます。


真相

殺された時刻と、防犯ベルが鳴り出した時刻が違う、というトリックである。

まず、犯人は被害者をあの袋小路まで連れ込んで殺し、 コートを着て変装して出口から出てくる。 この時、被害者の防犯ベルを持って出る。

その後、変装を解いて入口から入り、袋小路の向かい側の突き当たりまで行く。 そこで悲鳴を上げ、壁と天井の間の隙間から防犯ベルを投げ込む。 防犯ベルは衝撃で鳴り出すタイプなので、落ちた衝撃で鳴り出す。 後は何喰わぬ顔して合流する。

というわけで、最後に入った彼女、被害者のいた袋小路の壁の反対側にいた秋元が、 犯人である。

(1998.05.01)


答え合わせ

ほぼ完璧でしょう。最近成績いいなあ。

(1998.05.14)


金田一フミ誘拐事件

最終更新日: 1998.05.27
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今回のポイントは「なぞなぞ」ですね。


場所はどこ?

4つの場所のうち、 「西日が差し込んで、カーテンがある」という条件で考えると、 西向きに窓がついてるのはAとC、でCにはカーテンがかかってるから、 答えはAだ……というのはあまりに短絡過ぎますね(^_^;)。 Dのアパートは窓は東向きですが、隣のビルが鏡張りなため、 西日は反射して差し込みます。で、カーテンもある。

というわけで、可能性は Aの「12番地にあって、30階建ての赤井ビルの前にある木造アパート」か、 Dの「9番地にあって、最近できた鏡張りの12階建てのマックスビルの近くにある木造アパート」 のどちらかに絞られるわけです。 この2つのどちらかを決めるのがもう一つの「なぞなぞ」だと思うんですが。

一応、手元にマガジンがない人のためにその「なぞなぞ」(フミは「クイズ」だと言ってるが、 多分言葉遊び的な「なぞなぞ」だと思う)を再掲しておきましょう。

この「コレ」がポイントだと思うんですが、さっぱりわかりません。

というわけで、逆に与えられた条件から論理的に考察を試みてみましょう(クラピカ風←雑誌が違う)。

  1. ここでいう「コレ」とは、おそらく言葉遊び的な物である
    類例: 一文字ずつ取っていくと固体→気体→液体となる物質は何だ?
    答え: ガラス(固体)→ガス(気体)→酢(液体)

  2. 答えである「コレ」は、それがキーワードとなってAかDかを特定できるようなものであるはずである

  3. もし最後に残されたのが「ビル」と「病院」のそばだったとしたら、キーワードが「ビル」(あるいは「病院」)となる可能性もあるが、AとDは両方ともビルのそばなので、これはあり得ない

  4. 以上の考察より、キーワードはAかDかを特定するのに必要かつ十分である必要がある。すなわち「あかい」「まっくす」あるいは「かがみ」に関連した何かであると推察される

ただ、フミが隣のビルの名前を知ってるか、っていうのがちょっと引っかかるんですよね〜。 だとするとパッと見て特徴がわかりやすい「かがみ」ってのがありがちかなあと思うんですが。

あいや〜、わからん。というわけで、安易にAって答える奴は多そうだから、 答えはDだと見た!(笑)最後は結局カンかい!

(1998.05.21)


なぞなぞ2の答え

なぞなぞ2の方は某氏から答えを教えてもらいました。 (ありがとう^^;>satoさん)。

毛だらけで走り回る「犬」から、「テン」を取ると「大」になって大きくなる。 なるほど、漢字で考えれば良かったんですね。 私「犬」は浮かんでたんですが、カタカナで考えていたため、 「『イヌ』から何か取ったら何も残らんよなあ」とか思ってしまってました。

ということは1番のなぞなぞもこれの応用ということですね。 点を取るような何か…ここで「冷たくて味がない」言われて真っ先に 思いつくのは「氷」です。 しかし氷では

という理由で答えにはなり得そうもありません。そもそも「氷」だったとしても、 どちらのビルかを決める手がかりにはならないし…。

というわけで、引き続きタレコミをお待ちしております。

(1998.05.22)


謎が謎を呼ぶなぞなぞ1

いくつかタレコミはあるのですが、 「これが正解だ!」と胸を張って断言できるような解はいまだ見つからず…。 果たしてフミの伝えようとしたことは一体?

とにかく、なぞなぞは抜きにして、やはりフミのいるところは Dのマックスビルのそばである、ということは間違いないようです。 Aの赤いビルの方は、ちょうど赤いビルの影になってしまって、 西日は射し込まないんだそうな。

で、なぞなぞ1の方ですが、いくつか解が寄せられたので紹介しましょう。

なんか求められている答えは「点」そのものなんじゃないか、 という気もしてきました。でも「点」がなぜ鏡張りのマックスビルにつながるのか。 それがわからないんだよなあ。

こんなにもわかりにくいダイイングメッセージ(←死んでないっちゅうの)では、 役に立ちませんな。いくら犯人に気づかれないように、と言ってもねえ。 この手のダイイングメッセージものでいつも感じる虚脱感を、 今回も感じるハメになるのだろうか…。

(1998.05.23)


答え合わせ

結局正解は、

でした。

なんやそれ! 四方を道路に囲まれた建物なんざいくらでもあるだろう! っていうか、普通はそうじゃないか? (それが全くヒントにならないかも知れない、 という可能性をフミは考えなかったのだろうか)

しかもそれを使っても絞れるのはAかD、まで。 それではなぞなぞなんてなくても同じじゃないの〜。

というわけで、今回はちょっと納得行かなかったです。 ダイイングメッセージもの特有の虚脱感が〜(笑)。

今回の通信簿は、犯人当てはなし、 なぞなぞは候補にはあったものの、解釈が駄目だったのでトリックが△、 でもビルは当たってたので真相は○、ということにしました。

(1998.05.27)


銀幕の殺人鬼

最終更新日: 1998.07.22
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今回、密室トリックの方は簡単にわかったんですけど、 犯人が(紙コップのトリックの方が)わかりません。 週末はちょっと更新できないので、このまま今回は降参か?


密室トリック

これはそんなに難しくないでしょう。 映写機とドアの下の隙間を使ったトリックですね。 映写機にフィルムを長くつないで、それをドアの下の隙間に通し、 映写室から廊下を通って映研の部室まで持っていきます。 廊下に立てたろうそくは、 多分この時フィルムの向きを変える支点として使われたんでしょう。

で、フィルムの先のスプライシングテープに鍵を貼り付けて、 後は映写機に巻き取らせる。 その時、最後に蔵沢の手に握らせられるように、腕時計をゆるくして、 その内側にフィルムを通しておきます。 こうしておけばやがてフィルムの先についた鍵が回収されてきますが、 フィルムは通るけど鍵は通らずに手の中に落ちる、と。 まあ、実際にやったらこんなにうまくはいかないでしょうが(笑)、 漫画の中でのトリックですからこんなもんでしょう。

ポアロが蔵沢の手の中の鍵にに向かって吠えていたのは、 鍵が映研の部室のドアの下(金田一が芳香剤をぶちまけたところ)を 通過してきた、という何よりの証拠でしょう。


紙コップのトリック

犯人はどうやって自分だけ睡眠薬入りの紙コップを取らずに済ませたのか?

「12-9=3」の意味はもちろん、 12個入りの紙コップから9人分を除いたら、残りは3つ。 9人の内訳は、あの時部屋にいた10人から蔵沢を除いた、 門脇、黒河、星野、遊佐、の映研4人、 金田一、美雪、佐木の3人、 剣持、映研出身刑事(名前出てた??)の2人、を合わせた人数です。

で、なぜか現場には「5つ」の紙コップが残されていたんですけど、 単に犯人が別の紙コップを使った、 ということならば「4つ」のはずですよねえ。 これが「5つ」になっているところに、 何かトリックの鍵があるんじゃないかとは思うんですが、 さっぱり見当がつきません。「自然に」ってことだから、 ごみ箱から使い古しの紙コップを拾う、とかじゃ全然駄目なんでしょうね。

どうもこのトリックには条件があるらしいですね。

ということになると、 どう見ても遊佐が一番何かできそうな立場だとは思うんですが…。

(1998.07.16)


紙コップのトリック・答え合わせ

予め上から7つ目だけは睡眠薬を仕掛けないでおく。 こうしておくことで、 最後に取る自分だけは睡眠薬抜きの紙コップを自然に取ることができる。 ところが突発的に2人の刑事が来てしまったため、 そのままでは「7つ目」にすることができず、 無理矢理2つの使用済みの紙コップを重ねることでフォローした。 だから5つ余ってしまった。

犯人は、途中に取る順番に寄らず、「自然に」最後のコップを取ることができる人物、 すなわち紙コップを配っていた遊佐こそが犯人・スコーピオンである。

まあまとめるとこうなりますね。結局2個多いのは、2人の刑事が来た分だったと。 わかってしまえば単純なトリックですが、 一番の問題点は、どうみてもごみ箱から拾った紙コップを 「自然に」重ねるところだと思いますが(笑)。 これが自然にできるんなら、 ごみ箱から拾った紙コップで直接飲む事だって「自然に」できますよねー。 拾ってる場面が佐木のビデオに映ってたりしたらどうするつもりだったんでしょう。

そういや足りない2つ分の紙コップを拾って重ねるのはいいけど、 その2つにはどうやって睡眠薬を仕掛けたんだろう? 映研の紙コップはみんな薬漬けかい(笑)。

今回、犯人は「まあ何かできるとしたら遊佐しかいないでしょう」 と言っていたので△、 トリックは半分しか当たってないので△ (こちらはまだ明らかになってないけど、まあ間違いないでしょう)、 真相は×、ということにしておきましょう。

なお、例によってKAIさんからそのものずばりの推理のタレ込みメールがあったのですが、 到着したのが遅かったため事前に紹介できなかったのが残念でした。

(1998.07.22)


明智少年の華麗なる事件簿2

最終更新日: 1998.09.09
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またまた短編です。今、手元に40号しかないんで、 39号に重要なヒントがあったとしたら、全く見当違いなことを言ってるかも。


犯人は?

ずばり犯人は指揮者の石山
理由: 刑事に嫌疑をかけられていないから(笑)。

というのは冗談ですが、 弦楽器のコードが一斉に鳴り止んで弦楽器の音は消えていた場面で、 もし弦楽器奏者が弦を利用して矢を飛ばしたのならば、 その弦楽器だけの音がしてしまい、あっという間にバレるでしょうね。 というわけで、音がしなかったのならば、それは逆に音がしない唯一の楽器(?) であるタクトを持つ指揮者が犯人。 しかも音がしていない場面で腕を振っていても不自然じゃないし (ただ、音を出してなくても良かったんならば、 逆に手で投げれば弦楽器奏者の誰にでも犯行は可能だった、 とも言えるんだよなあ)。

ただ、犯人が利用した「偶発的出来事」ってのがわからないんだよなあ。

(1998.09.02)


再検討

えーと、いくつかメールでタレコミもあったので、再検討してみましょう。

まず、39号をあらためて読んでみましたが、 特にヒントとか手がかりと言ったものは見つかりませんでした……。

ジョジョを愛でるページのおーたさんの推理は、犯人はハープ奏者の吉野、 というものです。音がしなかったので弦を使って飛ばしたのではない、 というところまでは私の推理と一緒。 とすると手で投げるしかないわけですが、 他の弦楽器奏者は楽器と弦で両手が塞がっていて矢を投げるのは不可能。 というわけで、両手が使えるハープ奏者の彼女しかいない、というわけです。

これは確かにありそうですね。 ただ他の弦楽器奏者にホントに矢を投げることが不可能か、 と言われるとちょっと弱いような。演奏しながらじゃ無理でしょうけど、 その時は演奏は止んでましたからできないことはないような。 あと、おーたさんは 「犯人は容疑者の中にいることから、指揮者じゃないのでは」 という意見を述べられてますが、甘い! 原作者の天樹征丸氏の短編をいくつか読めばわかりますが、 3択だったら答は4、というのがこの人の基本のようです(笑)。 明智少年の華麗なる事件簿でも、 「犯人はかおるか赤沢か?」と2択を誘うようなミスリードをしておいて、 結局犯人は和島でしたからね。今回も、最初から名前が出ていない、 とかならともかく、刑事が勝手に容疑者の範囲を狭めただけですから、 十分に犯人は指揮者の可能性もあると思います。

続いて知り合いの某GIJさんからのメール。 ピアノの最高音というのはすなわち一番右。 一番右に身を乗り出しているところで一番近いところにいる指揮者が犯人、 という実にシンプルなもの。 「偶発的出来事」とは、ピアノの椅子が壊れたことで、 これによって背もたれ無しの椅子から背もたれ付きの椅子へと変わってしまった。 これで他の弦楽器奏者からは背中を狙えなくなってしまったことから、 容疑は指揮者一人に……ってそれじゃあだめじゃん(以上原文より)。

そう、確かに指揮者が一番近い位置にいることはいるんですけど、 その場合って背中は向けてませんよね? そこが引っかかるところなんです。

あと、おーたさんの推理でも結局「偶発的出来事」についてはわからないんですよね。 この点は十分に検討する価値がありそうです。


偶発的出来事とは?

「偶発的出来事」として考えられるものをピックアップしてみますと、

  1. バイオリニストの谷村が交通事故にあって左腕を骨折した
  2. その穴埋めとして明智少年がやってきた
  3. ピアニストの桐島がバラの棘で右手の小指を怪我した
  4. ピアノの椅子が壊れた
となります。

さて、ここで3,4は犯人が仕組んだことだとすれば、 これは犯人にとっては「偶発的」ではなく、「必然」ということになります。 もっとも3の場合、都合よく指を怪我してくれるところまでは読めませんが。

ただ、あの薔薇やら椅子にノコギリを入れておいたのが、 犯人とは違う誰かの単なる嫌がらせだったとすると、 犯人にとっては偶発的出来事、ということになります。

あ、もう一つ可能性があった。4なんですが、 犯人は元々は発表会当日に壊れるように細工をしておいたのだが、 桐島が踏み台として使ってしまったため、予想よりも早く壊れてしまった、 というのはあるかも知れません。

ちゅうわけで、全部の可能性について無理矢理検討してみましょう。

1や2を利用する場合:

バイオリニストが谷村だった場合には不可能だったが、 明智になったことで可能になるようなトリックとは?

バイオリニストの頭の上を通って矢が飛んでくるような仕掛けがあった。 背の高い谷村の時には不可能だったが、明智に代わったことで可能になった。

3を利用する場合:

右手小指を怪我したため、桐島は一番高いキーを弾く時に小指を使えなくなった。 実はあのピアノには小指以外の指で一番高いBフラットの鍵を弾くと、 矢が飛び出るような仕掛けがしてあったのだ。

4を利用する場合:

実はあの新しい椅子に仕掛けがあったのだ。 一番高いBフラットの鍵に糸が結んであって、 キーを叩くと椅子の背もたれの部分から矢が…(以下略)。

…ちゅうわけで、どれもいまいちなんですが(^_^;)、 なんかいいロジックあります?

(1998.09.05)


続・タレコミメール

いつも投稿してくれるKAIさんから例によってタレコミのメールがありました。 全文掲載させていただきます。

今回は結構難しく、自信がないのですが一応推理してみます。

まず刑事が「楽器の弦で矢を飛ばした。」と言っていますが、 矢が飛ぶのは弦をを引き絞ると弓の本体(木や竹でできている部分)がたわみ、 手を離すとそれが元に戻る反動で飛ぶので、 弦だけで飛ばすならパチンコのように強力なゴムでも使わなければなりません。 ゴムで演奏できればですが。 また、桐山は足を怪我して一人では立てなかったので、 電気が消えた時も座っていたと思うのですが、 それだと背もたれがジャマで背中に矢を刺すのは不可能です。

こう考えると、犯人は手で直接矢を持って刺したと考えられますが、 あの短時間にそれができるのは、 最初から立っていて一番近くにいた指揮者の石山ではないでしょうか。 決め手としては少々弱いですが。

「偶発的な出来事」とは桐山が足を痛めたことで、 いすに細工をしたのは別の人間でしょう。 闇の中で動かれては、刺す前に電気がついてしまいます。 気になるのは明かりを消した音大生に前金と楽譜が 「速達」で送られてきた事なのですが、

  1. 桐山が足を痛める
  2. 犯人が音大生にバイトを持ちかけ、速達で楽譜を送る。
  3. 翌日(音楽会当日)電話で確認する。

つまり、今週号の電話のシーンは最初に描かれているけれど、 当日に行われたのではないでしょうか。

どうもありがとうございます。ロジックは少々異なれど、 やっぱり指揮者犯人説ですか。というか、 このロジックはGIJさんのとほぼ同じですね。 ただ「偶発的出来事」に関する解釈が少し異なりますね。

この推理でちょっと気になるのは犯人が犯行を決行しようとした契機が、 すなわち椅子で足を怪我したことだという点です。 足を怪我してなければ犯行に及ばなかったのか? 逆に言えば、 フツー、相手が足を怪我したくらいで、「よし、千載一遇のチャンス到来!」 なんて思うでしょうかね? ということなんですが…。

(1998.09.06)


答え合わせ

いや〜、今回は完敗ですね。 ミステリとしてはそれほど奇抜なトリックというわけではありませんが、 まさか金田一少年の、しかも短編で、 ここまで凝ったトリックを使ってくるとは思わなかった。 ちょっとナメてましたね。いや、完敗です。

確かに最初に抱き起こしに駆け寄った時に背中に刺す、 ってのも考えないではなかったんですが、 それだと最初に倒れたのは一体何だったんだ、 ということで除外してしまいました。 それが「一番高いキーに仕掛けられた罠」だったとは。

また「薔薇の棘による怪我」がカムフラージュになっている、 というのは見事でした。そこまでは気づかなかった。

しかし残りの3人が3人とも別の嫌がらせをしてたって…(笑)、 嫌な仲間だなあ。しかもそのうちの1人は犯人に犯罪を思いつかせ、 残りの2人はタッグで犯人を告発するための材料を作っていたとは、 見事なコンビネーションです(笑)。 実はハメられたのは指揮者だったりして(笑)。

とにかく、今回は久々にトリックに感心させられました。

(1998.09.09)


金田一フミの冒険

最終更新日: 1998.09.23
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1週のみの問題編です。マガジンを取っておかなくていいから助かりますね(笑)。


ファースト・インプレッション

今回は容疑者が非常に絞られてますね。 最後のコマ見るとなぜか彦根刑事まで容疑者であるかのように扱われてますが、 さすがに短編でそれはないでしょう (←前回、短編だからといってナメて痛い目にあったばかりなのに懲りてない)。 というわけで、 フミが「別の人」と言っている以上、被害者のマキオと、 第一容疑者のマイを除いた残りの2人、ユキト亜弓が犯人ということになります。

で、犯人の条件はどうやら「ケガをしていること」らしいですね。 とすると手を怪我しているユキトの方が怪しい……いやいや、 これは明らかなミスリーディングでしょう。 こういう場合はあからさまな怪我をしてない方を疑わなくては(笑)。

というわけで亜弓の方がどこか怪我している可能性はないか…と思ってよく見てみると、 車の中、および池の周りで見かけた時にはしていなかった、首周りのスカーフが気になりますね。 きっと首に何らかの怪我を負って、それを隠すためにつけたんでしょう。

というわけで、特に何の推理の根拠も、見立てに対する意味付けもなく、 亜弓が犯人だ!と断言させていただきます (すみません。ちゃんとした推理は後でやります)。

(1998.09.16)


タレコミ1

毎度おなじみのKAIさんよりのタレコミメールです。 結構衝撃的な推理なので、全文掲載。

まず、見立ては「血だらけの鮎」というのがポイントで、 犯人は争っている最中に被害者に噛みつかれたので、 被害者の口に残った血をごまかすため、鮎をくわえさせたのでしょう。

次に犯人ですが、フミがマイが犯人ではないと思ったのは足に怪我をしている ので走って追いかけることができないから。 それなら、手に怪我をしている滑川かといえば、これはあまりにも単純ですし 決め手もありません。

最後の台詞を見ると「犯人はここにいる人達の中にいる」とあります。マイは 違うので、仲間の二人、彦根刑事、そして「猪熊先生」 (さすがに警官は除外します) 猪熊先生の服を見ると長袖になっています。 これは腕のどこかにかまれた後があるので、それを隠すためでしょう。 また決め手になりそうなのは、もう一人の男の子は逃げてしまったのに 「うちの生徒が『二人』保護されて」と言っていることです。

しかし、犯人が名字のみというのはアリですか。 応募はがきに「猪熊先生」と書くのでしょうか。 宿屋が親戚か知人らしいので名前を呼ぶシーンを探したのですが見つかりませんでした。 動機としては、川を荒らしたので注意したらケンカになり、 はずみで殺してしまったというところでしょう。

前半の「見立て」に関する推理は、私もほぼ同意見です。 というか、それしか思いつかなかったんですが。 で、それが犯人の「怪我」につながっている、というのもいいでしょう。

問題は犯人。まさか、ここで先生を持ってきますか〜。 やられましたね〜。 でも確かに手だろうと首だろうと腕だろうと、 怪我があるというだけでは決め手にはならないんですよね。 そういう意味じゃあの「二人」という失言が決め手、 というのは結構説得力があります。

しかしもしホントに先生だとしたら、 何人もの殺人犯を排出している不動高校に引き続いて、 金田一家の呪いがついにフミの小学校にまで!って感じですな。

(1998.09.17)


答え合わせ

いや〜、お見事でした、KAIさん。見事に正解でした! しかし先生を犯人にもってくるか〜。 いや、ホント最近は短編といえども(短編だからこそ?) ナメちゃいけないですね〜。 というわけで、私自身は完敗でした。 やっぱ本質直感(山勘、ともいう)だけじゃ駄目ですなあ(笑)。

次回からはまた長編シリーズのようです。

(1998.09.23)


天草財宝伝説殺人事件

最終更新日: 1998.12.22
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久々の長編シリーズ。 今回はアリバイトリック(?)がポイントのようですね。

ところで「白髪鬼」と言われると「SLAM DUNK」の安西先生を思い出してしまうのは 私だけでしょうか? 確か大学の鬼コーチ時代の渾名が「白髪鬼」 (ホワイトヘアードデビル)でしたよね。


ミッシングリンク

とりあえず、「名前」に隠された共通点はわかりました。 字のどこかに「月」の字が隠れている、というものですね。 そして殺された4人・「中田代」「赤峰子」「赤門英」「最上葉」 にも「月」が入ってます。 そして死にかけてるという「蔵元醍」にも「月」が入っています。 そうなると、犯人の本名にも「月」の入ってるのでは? ということで、 それを剣持のおっさんに調べてもらったんじゃないかと思うんですが。

ということで、エミリの本名は、漢字で書くと「月」が入る、 ってのを考えたんですが、 「月」が入る「えみり」っていう字を思い浮かびませんでした。 まあ、全く偽名を使ってる可能性もあるしな。

心理トリック、とやらの方はまた後日。

(1998.12.02)


続・ミッシングリンク

まずは前回の続きから。犯人も名前に「月」の含まれる人物と推察されますが、 可能性があるのは誰か?

まあ、これだけで犯人とするにはあまりにも根拠が弱いんですけど、 とりあえず私的ランキングでは天堂四郎がランキング急上昇。 でもなあ、怪しすぎるんだよな、彼。 だから却って犯人じゃないような気がしてならんのだが…。


アリバイ心理トリックとは?

さて、メインのトリックとも言えるアリバイ心理トリックの方ですが、 難しい。さっぱり見当もつきません。まずはいつも通り、手がかりの列挙から。

  1. コテージを出る時に、内線電話を掛けさせた。 その時間はフロントに記録されているため、 「掛けた時間」に関してはゴマカシがないと思われる (その時に本当にコテージを出たかどうかは別)。

  2. 和田のモバイル機器や資料・地図の入ったカバンが何者かによって燃やされた (47号)。

  3. 金田一は、お揃いのように見えて実は2種類あったカップを見て、 心理トリックの正体を見破った(52号)。

  4. 「白髪鬼」の噂は実は犯人によって意図的に流されたものだった。

  5. 「犯人はある簡単な方法で赤峰藤子の行動をコントロールした」らしい。 それは「誰もが持っているごく自然な心理作用」を利用したものらしい。

1を前提として、5を可能にするとすると、 例えばコテージを一度出た後引き返させる、とか。 実際に出発した時刻はもっと遅くなるわけ。でも一本道だから、 引き返したら誰かと会うはずだしなあ。

2といい、「地図」という単語がゴシック体になってたり、 やたらと「地図」が強調されてるので、 実は赤峰に渡された地図には別の待ち合わせ場所が書いてあった、とか (3の手がかりは「一見同じように見えるものでも、実は違っていた」 というところにつながる)。 でもなあ、確かに待ち合わせ場所の前の分岐点から崖側の道に誘導することできれば、 他の誰にも会わずに殺害可能だけど、犯行現場は死体発見場所で間違いない、 って言ってるしなあ。

4に関しては天堂自身が説明してましたよねえ。ということは、 これが犯人の流した虚言だとすると、犯人は天堂以外ありえない、 ということになってしまうんだけど……。「四朗疑惑」と合わせて、 天堂犯人説が有力か? でも最後に張った罠からすると「コテージ」に何か仕掛けがありそうですよね?

コテージの時計を進めておく、あるいは遅らせておく、 というのも非常にありがちなんですが、 それだと電話した時刻がずれてくるはずなんですよねえ。 「何時に出るつもりだったか」を操作することはできても、 結局「何時に出たのか」という事実を変えることはできてないような…。

ああ、わからん。愛のタレコミメール、待ってます。

(1998.12.05)


タレコミメール紹介

さて、管理人不在のため更新が遅れてしまい、 既に真相が明らかになってしまった後ですが、 タレコミメールを紹介しましょう。 いつもありがとうございます、のKAIさんです。

  1. 蔵元家の家系図と被害者の共通点とは、 名前に月の字が含まれていることでしょう。
  2. ミッシングリングがある以上、 犯人はメンバーを選ぶことのできた人物となります。 「悲恋湖」の時もミッシングリングがあるとわかった時点でツアコンか主催会社の社長の息子の遠野のどちらかが犯人とわかります。 今回それができたのはツアーを企画した和田だけなので、 彼が犯人だと思います。
  3. 赤峰殺害のトリックがよくわからないのですが、 和田が犯人ならそれほどややこしいトリックは必要ないと思います。 まず、「一本道で赤峰の前後に自分以外がいた」 という状況を作ればいいわけですから、 赤門が集合場所の10分前につくように30分前の6:30頃コテージを出るのを見越して、 6:25頃赤峰に電話して集合が7:30になったと伝えます。 そして出発前に打ち合わせをしたいので、チェックアウトして荷物を持って自分のコテージに来るように言います。 打ち合わせをして、 途中で写真を取って欲しいから早めに行こうと言い6:50にチェックアウトしてコテージを一緒に出て一本道を最後に通り、 途中で殺害してから集合場所に行くというのはどうでしょう。 ただこれだと、時計に細工する必要は無くなります。 たとえば、赤峰のコテージの時計を進めておいて、 早めにチェックアウトさせるというのはできそうですが。
  4. 天堂は「四郎」ではなく「四朗」で、蔵元の血縁者でしょう。 最後に、和田の犯行は無駄だったというオチに使われるのでは?。

いつもながらの的確な推理! 最後のオチまで予想されていて、 もう言うこと無し、という感じですね。 2は単純ながら、非常に説得力のあるポイントですね。言われてみればその通り。 ただ、今回の面子に限って言えば、前回の「佐々成政の発掘ツアー」の時と、 金田一たちとエミリ以外は同じ面子らしいので、 必ずしも和田が企画していなくとも、同じ面子が揃った可能性は高いですね。 それに、物が「天草四郎の財宝」ですから、 わざわざ和田が呼ばなくともあの4人は来ただろう、という考え方もできます。

さて、KAIさんの推理はどこまで的中しているのか? いよいよ答え合わせ編です。


答え合わせ

はい、お見事。犯人は和田でした。KAIさんに拍手〜!

確かに、1本道で誰にも会わずに殺害するとしたら、 ずらすとしても最初か最後にやるしかないわけで、 最後の和田が怪しい、というのはわかっても良かったんですよね。 それに、携帯持ってるんだから、それで呼ぶことも可能だった。

トリックの方はなんか時計をずらしてどうのこうの、というものみたいですが、 考えるのが面倒くさいのでまた後日検討します(^^;)。

(1998.12.10)


続・答え合わせ〜アリバイトリック編

さて、アリバイトリックの全貌はいまだに明らかになっていませんが、 現在の材料から推理してみましょうか。

ということから、

というトリックを使ったのだとわかります。

多分ずらしておいたのは赤峰のコテージの時計でしょうね。 ですから、赤峰は6時30分に電話をして6時30分〜40分の間にコテージを出たことになってますが、 赤峰本人は6時15分頃出たつもりになってる、ということですね。

……だから何なの?いや、やっぱりよくわからない。 多分、KAIさんの言うように和田が携帯電話で自分のコテージへと呼び出して、 後から一緒に行ったんだと思うんですけど、 それを行うのに時間を錯誤させる必然性はあんまりないような……。

あ、かろうじて必然性を見つけました。和田としては、 とにかく最後に集合場所に行く必要があった。 なぜなら赤峰を道中で殺害しているその最中に、 後から人に来られては都合が悪いから。 従って、コテージを出発するのを十分遅くする必要があった。 しかしコテージに赤峰と一緒にいるのに、 集合時間に間に合わなくなる時間まで引き止めるのは不自然だ。 そこで、予め赤峰のコテージと自分(和田)のコテージの時計を15分遅らせておく。 赤峰は6時35分ごろ出発したつもりになっているが、 実際にはすでに50分を回っているので他の人と会う心配はない。 そこで途中で殺害し、何食わぬ顔で「遅刻した」と言って集合場所に現れる…。

うーん、こんなところですかね?ちょっと弱いような気もするけど。 だいたい、ホントに遅刻する人がいたらどうするつもりだったんだろう。

(1998.12.13)


真相

うーん、なるほど。自分が近道するのではなく、相手に遠回りをさせる、ねえ。 これはちょっと気づきませんでしたね。感心しました。 でもわからないよなあ、こんなの。

しかし時計をずらしてたトリックに関してはちょっと効果が疑問ですね。 赤門が必ず30分前に出る、というのはまだいいにしても、 赤峰や葉月が出る時間は調整できないでしょう。偶然同じ時間に出てしまったら、 計画はパーですからねえ。

まあ、そんなわけで、半分は納得できませんでしたね。

(1998.12.22)


白銀に消えた身代金

最終更新日: 1999.01.30
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1話で出題、1話で解決の短編シリーズ。 解決編が出る前に載せたかったのですが、 インフルエンザで寝込んでしまったため、 更新が間に合いませんでした。 せっかく推理を送って下さったKAIさん、申し訳ありません。 遅れ馳せながらKAIさんの推理を掲載させていただきたいと思います。


KAIさんの推理

さて今週の推理ですが、まず身代金の行方から。 三千万が確認できたのは小屋に入る前にカバンに詰め替えるときまでで、その 後カバンが開けられていないのですから、空のカバンはお金を詰めたのとは別 の物ということでしょう。 小屋の屋根の雪の下に同じカバンを埋めておき、手袋なしで凍えたはじめがス トーブをつけるようにしむけます。 ストーブの熱で屋根の雪が落ち、お金の入ったカバンは雪に埋もれ、空のカバ ンが雪と一緒に屋根から落ちてきます。(しかし、かなり成功の確率が低いト リックだと思いますが) はじめは美雪に借りたジャケットを破ってしまい、若林が同じジャケットを着 ていたので(色違いに見えますがリバーシブルでしょう)交換しましたが、こ れが犯人にとって「困ったこと」になりました。 もともと身代金は若林に運ばせる予定で、ジャケットに細工(盗聴器?)をし ていたのですが、そのジャケットをはじめが着てしまったので、はじめに身 代金を運ばせることにしました。 ここまでは解るのですが、さて犯人は誰でしょう。「超意外な犯人」というこ とと、スペシャルファイルでは殺人以外では犯人を見逃すことが多いことを考 え合わせると、巧が自分で仕組んだというのがありそうですが、はじめが「犯 人はやっぱりこの中にいるんだ」と言っているのが気になります。 巧はまだ見つかっていないはずなので、小屋の中にでも隠れているということ でしょうか。

犯人について、さらに考えてみたところ別の可能性を思いつきました。 横光 洋二を使ったのは、黒塚に恨みを持っている事を犯人が知っていたから ですが、10歳の巧が知っていたというのは不自然な気がします。 それを確実に知っていた人物といえば、黒塚和成ではないでしょうか。 「犯人はこの中にいる」訳ですし、「意外な犯人」でもあります。 動機としては、3000万盗られたことにして裏金にするとか、選挙で同情票 を集めるとかが、ありそうです。


検証

いつもながらの的確な推理、お見事です>KAIさん。 今回、屋根の上に空のトランクを置いておく、 というトリック自体はみんなわかったと思うんですが、 それがわかったからと言って犯人が特定できるわけではないところが、 ちょっと引っかかったポイントでした。 そこでちょっと不自然な感じだった金田一のジャケットの伏線が 生きてくるんですね。

次回もまた短編シリーズ「明智少年の華麗なる事件簿」のようなので、 頑張ってみたいと思います。

#最近、短編の方がレベル高いような気がしますね。
#というか、長編が、「それ1つで引っ張るのは無理だろう」というトリックをメインにしている、というか。

(1999.01.30)


明智少年の華麗なる事件簿3

最終更新日: 1999.02.20
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前回は寝込んでてできなかったので、今回はやろうと気合いを入れて臨んだのですが…。 なんか難しいぞ(笑)。


要点の整理

なお、明智少年のヒントによれば、 「犯人は心理的に不自然な言動をしている人物」だということです。

今回の焦点はやっぱり三重密室でしょうね。 これはどうやっても崩せそうもありません。 どうするか?


タレコミ紹介

ここで、CLASSICの如月さんよりタレコミのメールをいただきましたので、紹介します。

やはり一番のネックとなるのは3重密室です。 どうやらこれを破るのは不可能なようですね。 というのも、明智&桜田が応接室で徹夜でチェスを やっていたらしいからです。 これが、桜田が言うずっと部屋にいた証拠なんでしょう。 話しにくいのは明智にこてんぱんにやられて 恥ずかしがっているのでしょうか。 そうすると、凶器は真剣ではないということになります。 でも、真剣に血が付いていた。 ここをどう考えるかですが、 これは後から血が付けられたと考えるのが自然です。 すなわち、宇佐見が錦野から真剣を受け取る前のコマで すでに右手に布を持っています。 その布に血が付いてあって、真剣を鞘から抜くときに 血を付けたとしか考えられません。 だから、真剣に血が付いていたことと 真剣が凶器であることは全く関係が無く、 これで3重密室も意味がないことになります。 それでは真の凶器は何か? 恐らくフェンシング用の剣を外で凍らせて (剣の上に氷でコーティングした) それで刺し殺したんでしょう。 そうすれば明智が言うような強度の問題は 解決できます。

結論:犯人は宇佐見。

でも、一つ問題なのは 氷のコーティングが為されたとすると それをほのめかすようなコマがあっても 良いようなものなんだけど・・・

どうもありがとうございます。 さて、やはり三重密室を破ることは不可能、 として別の凶器があるんではないか、という推理です。

「桜田と明智が徹夜でチェスをしていた」という推理は当たってそうですね。 朝に強そうな天才・明智が、「いつもはこんなことないんですが、今日は」 と言いながら眠そうだったのは、徹夜で付き合わされてたからっぽいですし。 また、桜田がアリバイを主張したがらないのは、 仮にも都内のアマチュアチャンピオンである桜田が、 高校生のガキにチェスで勝てなくて何度も勝負に付き合わせた、 なんていう恥ずかしい話をしたくない、ということなんでしょう。

ただ、布に血をつけておいて、抜く時に血をつける、 というのは確かに可能かもしれませんが、 みんなが見ている前でやるのはあまりに危険性が高い、という気もします。 しかしそれ以外に被害者の血を凶器につける方法はないよなあ…。


不自然な言動

明智少年の言う、「不自然な言動」に注目してみましょう。 東城が殺された後、みんなで凶器について議論している時、 宇佐美がこんなことを言っています。

…待てよ!ミステリーならこんなことだってあるんじゃねーか!?
カチンコチンに凍らせた肉で人を殴り殺すってヤツ!
あれと同じで尖らせて剣のようにした氷を作って凶器にしたんじゃねーか?
氷なんて そこの冷凍庫で いくらでもできるんだし…。

この直後、明智少年が窓の外の軒にぶら下がったつららを見ています。

不自然な言動があるならこれかな、と。 寒くて軒下にいくらでもつららがあるのにも関わらず、 わざわざ冷凍庫で氷を作る、という発想は不自然かな、と。 というわけで、私もやはり宇佐美犯人説に賛成です。

そうすると、あのヤケドの痕が、何か意味あるのかな? 氷の剣を作る時に負った凍傷の痕、とか?

とにかく、難しいので、引き続きタレコミのメールをお待ちしてます。

(1999.02.11)


怪しい時計?

某掲示板にて、こんな話があがってました。 11号で出てくる振り子時計。 針は7時を指しているのに、コーンという音は5つしか鳴っていません。 はたしてこれは?? というわけで、この時計の針が凶器として使われた可能性もあるのではないか、 というものです。

うーん、鋭い観察力。しかしつららでも駄目だ、って言われてて、 それよりも細そうな時計の針で凶器になるかなあ…、というところが気になります。 でも確かにこういうさりげないところに絵解きのヒントがあったりするんですよね、 金田一って。


タレコミ2

とか言ってる間に、いつも鋭い推理を送ってくれるKAIさんからのタレコミメールが届きました。 では、全文掲載です。

「天草」は正解者が3人しかいなかったそうですが、 問題が難しいというより正解が複数ある問題だったような気がします。 正解を見てからもう一度考えてみましたが、 他の方法でも可能で問題編とも矛盾しない方法はいくつかありそうです。 ところで金田一のテレカが送ってきたのですが、 何も書いていないけれど「天草」のおまけ正解のようです。

さて、今週の推理ですが「密室物」ではなく「凶器を探せ」ですね。 桜田先生は明智にチェスで惨敗して、 ムキになって徹夜でチェスをやって負け続けていたのでしょう。 しかし事は殺人なので警察に黙っているほどのことではないと思いますが。 真剣は凶器ではないとすると、どうやって血を付けたかということですが、 剣を抜くとき血を付けておいた布を刃に当てて抜きながらつけたと思います。 (本当は薬品でも使わないと血は固まってしまいますが)

そうすると、犯人は剣を抜いた宇佐見となります。 「心理的に不自然な言動」というのは、凶器かもしれない物をさわる時、 布を持っているなら犯人の指紋がついているかもしれない持ち手に当てるのではないかということでは? 次に本当の凶器ですが、どうも時計の鳴り方がおかしいのが気になります。 前の号が無いのではっきりしないのですが、 時計が前日は正確だったとすると、夜のうちに短針の位置がずれたことになります。 練習用の剣か、 しっかりした棒の先に外した短針を縛り付けて使ったのではないでしょうか。

というわけで、KAIさんの推理でもやはり凶器は時計の短針、ということになりそうです。 そうか、しかし今回は「凶器は何か?」という問題だったんですね。 あのヤケドやら怪我やらはどう絡んでくるんでしょう? というか、犯人はもう宇佐美以外考えられないから、 あのヤケドの痕ってことですが。凶器を作るのに必要だった?

(1999.02.14)


答え合わせ

うーん、三重密室を破る方法については当たっていましたが、 凶器はハズレでした。残念。

実は結構私が真相に近いところまで迫ってたんですね。 「不自然な言動」も当たってたし、「窓が開いていた」ことを指摘してるし、 「あのヤケドの痕は凶器を作るのに必要だった?」とまで言ってます。 ここまで来てて見抜けなかったのはちょっと残念。

個人的には「練習用の剣を氷でコーティング」とか「時計の短針を…」 などよりは、「つららに模したガラスの凶器」の方がたしかに納得が行くんですが、 ちょっと難しいですよね。

というわけで、今回はトリックは半分当たりということで「△」、 真相については「不自然な言動」は当たっていたということで「△」 ということにしました。

(1999.02.20)


フィルムの中のアリバイ

最終更新日: 1999.03.10
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今回は漫画ならではの絵解きクイズですね。しかし難しいなあ。


アリバイトリック

こういう場合、 夕日を写したと見せかけて実は朝日、というのがありがちなパターンなんですが、 今回の場合、特に方角を示すような情報がないので、 どういうことなのかわかりませんね。

あと気になるポイントを挙げておきますと


推理紹介

S.Sさんが某掲示板で展開していた推理を紹介します。

連続写真だからポイントはフィルムのつなぎ合わせかなと思いました。 そうすると、堀之内と美隅のフィルムはそれぞれ バックの車と飛行機が連続しているので問題なしでしょう。 中神のフィルムはいかにも怪しい。 でも、ミステリではいかにも怪しい人間は犯人たりえないという 暗黙の了解があります。 でも、今回に関しては中神が犯人第1候補ではないでしょうか。 彼のフィルムは17と19が本来なら逆になっていなければならないのでは? なぜなら彼は「日没」の写真を撮ったと発言しているのにも関わらず 19で右側から太陽が差しています。 ということはフィルムを差し替えたのでは? 若しくはこのフィルム自体が「日没」ではなく「日の出」を 撮影したと考えられます。 そういうわけで犯人は「中神」で決定です。

というわけで、いかにも怪しい中神が犯人ということですが、 どうでしょうか? 確かに北に向かってる最中に撮った写真であれば、 夕日は左から射し込んでるはずですしね。

でもそうすると残りの二人が最近まで海外にいたことには何の意味が…

(1999.03.06)


答え合わせ

うーん、今回は完敗ですな。っていうか、わかるか〜!

結局連続写真の一つ、飛行機の移動距離がポイントだったんですね。 うーん、言われてみれば…だけどわからないよなあ。

あと、渡航暦は直接アリバイに関係するんでなく、 違う年の桜や春祭を写したわけではない、 ということを示すためだったわけですね。

でも結局、堀之内の写真が「1週間以上続く春祭」 の前日のものを複写したものである、という疑惑は解けてませんよね (まあ、美隅が犯人である以上、そんなことをする理由はないんですが)。

今回、いつも鋭い推理を送ってきて下さるKAIさんからのメールも届いたのですが、 「カメラに関する知識がないため、仮定と想像だらけで、 真相とは全く違う可能性がかなり高いと思いますので、 HPには載せないでください」 と書かれていたので、載せません。 ただ、その中にちゃんと

「オートシャッターというのが、もし一定時間間隔でシャッターを切るような機械だったとして、 後ろの飛行機の位置が多少おかしいような気がします」
という記述がありました!さすがです!

(1999.03.10)


殺人レストラン

最終更新日: 1999.03.31
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今回は推理漫画では珍しい倒叙物ですね。 今回は簡単だったのか、早くもタレコミが相次いでおります。


死体のありか

これは冷蔵庫の中でまず間違いないでしょう。 本来冷蔵庫の中に入っていた野菜などを取り出し、 長椅子の中に入れておいたわけですね。 設定は夏で、店の中は冷房もよく効いていないようなのに、 長椅子の中に入っていたスイカが 「良く冷えていた」ということからも、 スイカが直前まで冷蔵庫の中に入っていたのは間違いないと思います。

ここで、CLASSICの如月さんが掲示板にて展開していた推理をご紹介します:

まず、「(1)死体をどこに隠したか?」 これは冷蔵庫しかないでしょう。 イスの中から野菜がたくさん出てきたって事は 本来野菜が入っているべき冷蔵庫には 何か他のもの、つまり死体が入っていると 考えられると思います。。 だってイスの中にスイカが入っていて そんなに冷えてるわけがないもんね。 直前まで冷蔵庫に入っていたから冷えていたのでしょう。 これが傍証となって死体は冷蔵庫で決まり!

さらに今回は早かった、KAIさんからのタレコミメールを紹介:

まず、死体の隠し場所ですが夏に死体を隠すとしたら、 平凡ですが冷蔵庫の中が一番ふさわしいでしょう。 長椅子の下のスイカは「よく冷えている」そうですが冷蔵庫に死体を入れる場所を作るため、 少し前に冷蔵庫から出したので、まだ冷たかったと考えられます。


殺人を示す明らかな証拠

私は先週号の時点ですでにあのカレンダーの祝日でもない15日が気になってたんですが、 やっぱりあれが証拠のようですね。ちょっと簡単過ぎかな? ただ、なぜあんなにあからさまに血の痕が残っているのに 犯人が気がつかなかったのか、ということについては、 今週号に出てきた「花びらクッキー」がポイントになりそうです。

如月さんの推理の続きです:

さて、問題は「(2)あからさまな証拠」ですが 最後のページのカレンダーの7/15が祝祭日になっているんですけど この日は祝日でしたっけ? いや、私の家のカレンダーで確認したところ 残念ながら祝祭日ではありませんでした。
#チッ。休みだと良かったのに!(笑)
ということはこれは被害者の血ではないでしょうか? 実は私は先週号は捨ててしまい手許にありません。 よって、ここからは私の記憶に基づく推理ですので 間違っていれば指摘して下さい。 たしか、先週号で被害者の女性ってカレンダーを 下に引いて何か作ってませんでしたっけ? 何かを練っていたのかな? で、殺されてカレンダーに付いた血を そのままに犯人はカレンダーを 元に戻したのではありませんでしたっけ? だから、7/15は「血の祝日」だったわけです。(チャンチャン♪)

如月さんの記憶の穴を埋めるような推理を、KAIさんのメールが補ってくれています:

次に殺人の証拠ですが、 殺される前に女性が作っていた生地にポイントがありそうです。 カレンダーの15日は祝日でもないのに20日と同じ様な花模様がありますが、 この形が花びらクッキーとよく似ています。 生地を型で抜いたところが15日で、 殴られたときに飛んだ血痕が、 生地に空いた花形の穴からカレンダーについたのでしょう。

なるほど。偶然にしては出来すぎという気もしますが(笑)、 確かに先週号を読み返してみると、ちょうどカレンダーの上でクッキーの生地を伸ばしていて、 「コト」という音を立てた直後に殴り殺されています。 ちょうどこの時花びらクッキーの型抜きをしたところだったのでしょうね。

今回は久しぶりに簡単だったかな。 あのカレンダーの曜日からすると、あれは今年の7月のようですね。 ということは舞台は未来?

それにしても、さんざんおいしい思いをして、 支払いの段になって犯罪を指摘するって、 ホントいい性格してんな>金田一。

(1999.03.25)


答え合わせ

まあ、だいたい当たりですね。他にも踏み台とか、ナイフとフォークの置き方とか、 いろいろあったんですね。

しかし最初っからわかってて、さんざん食ってから犯人を指摘するとは…。 ホントにいい性格してますね>金田一。

(1999.03.31)

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