漫画の部屋
ジャンプの部屋・赤マルジャンプ2007 SUMMER感想
お盆休みに出る恒例の赤マルSUMMER。
しかし今回、赤マルの定番ともなっていた袋とじ番外編がありませんでした。
ボーボボと太臓を切った影響がこんなところにも?
今まで良く書いてくれてた、銀魂・ネウロ・エム×ゼロ・To LOVEる・REBORN!、
あたりはまだ続いているのになあ…。
魔法少女しげはる/大亜門
- 太臓が終わったものの、短編集も発行され、多忙な大亜門先生の新作。巻頭カラー32P。
- ある朝起きたしげはるの股間には、ハニーバニーの呪いによって亀のキトが。
魔法少女に変身し、誰かの「悩みの種」を解決してあげないと、この呪いは解けないのであった。
- 基本下ネタで、例のごとくジョジョパロもふんだんに盛り込まれているという一品でした。
連載狙ってるのかな?
- 荒木先生突撃インタビューと、その後のボーリングルポ漫画もついてます。
ボーリングのグダグダな結果が何ともリアル。
F・GAME/相模恒大
- 戦略でフットサルを勝ち抜け!49P。
- ゲームオタクで運動神経ゼロの朝倉爽。幼馴染の姫菜が所属するフットサル部が人数不足で廃部のピンチに、
ゲームで鍛えた戦略を元にチームを勝利へと導く。
- 登場人物の女の子達がどんなギャルゲ?って感じの極端なメンバー。幼馴染の天然系、
何故か胸元を開けている巨乳上級生、オカルト少女、元暴走族の首領、ジョニーズオタク…。
ただ、この極端な性格付けがプレースタイルに十分活かせていたか、というとちょっといまいちだったかなあ。
- まあでも最後主人公がごっつぁんゴール決めるシーンはカッコよかったです。
ABACUS TRADER/春日真
- 砂漠の村を孤狼のショウニンが往く。45P。
- ギル・モンドは、「タダの取引はしない」のをモットーとするショウニン。
砂漠の村の少女・ルカにもらった一杯の水の対価を払うために、
バーディ盗賊団との「取引」に挑む。
- 「戦わずして勝つ」を至上とするショウニンが、理不尽な暴力に対してどう立ち向かうのか、
といったテーマですが、結局暴力で返すんですね。まあ、仕方ないか。
- 「売られた商品(ケンカ)は返品できんのじゃ」などの決めゼリフは面白かったです。
- 女の子がコマによって同一人物に見えないなど、画力はまだまだ向上の余地ありですね。
(というより、シリアスとギャグの描き分けがいまいちなのかな?)
- ちなみに「ABACUS」ってのはそろばんの意味ですね。
柔王/角石俊輔
- スポーツ万能な少年が出会った、才能だけでは勝てないスポーツ・柔道。49P。
- 中学時代、何の部にも所属していないにもかかわらず助っ人で出れば大活躍。
そんな広能が、自分より30cmも背の低い国宗にあっさり投げられた。
国宗を投げるため、広能は柔道にのめり込んでいく…。
- 一目惚れした女の子に釣られて未知のスポーツにのめり込む、
というスラムダンクにも通じる王道パターン。
主人公が192cmと恵まれた体格で運動神経も抜群ながら、
小柄なライバルに敵わない、という展開は柔道ならではで面白いですね。
おろち2号/いとうみきお
- 剣術の後継をめぐる双子の兄弟の戦い。ベテラン・いとうみきお先生のセンターカラー、49P。
- 八岐大蛇流剣術の跡取り・大和は、才能と体格に恵まれた「千年に一人の逸材」双子の弟・猛といつも比べられていた。
決して弟に負けたとは認めたがらない大和だったが、実は弟とは異なる奥義を身につけていた…。
- キャラクターの造形が極端ですが、さすがはベテラン作家という感じのわかりやすさ。
幼馴染のユウが、ただの解説役で終わっていなくてなかなかいいポジションですね。
小牟田鐘 闘ウ日記/川口幸範
- ヘタレ返上のため、愛のために闘う。青春格闘ストーリー47P。
- 小さい頃からヘタレだった小牟田鐘。幼馴染の小金井に釣り合う男になるため、
密かに体を鍛え怪力を身につけていたのだが、精神はヘタレのまま。
そんな彼の前に「強者狩りの怪人」クリスピーが現れる…。
- 女の子のために強くなって目覚める、というストーリーはありがちですが、
そのための指南をするのが、主人公と戦ってみたい怪物、という点がかなり異質。
この漫画のアクセントになってます。
ZEN力ダッシュ!!/原作:渡辺一平・漫画:薙澤なお
- 禅寺で修業を続けていたために友達のいなかった小山田然。
友達を作ると意気込んで入った高校で、肉体を愛でるのが趣味の陸上部マネージャー千夏に目をつけられ、
陸上をやることに。
- 原作と漫画が分かれてますが、別に渡辺一平さんは原作部門で入賞した、
とかいうわけではないんですよね。薙澤なおさんは前回オリジナルで描いてますし、
単に今回の話を描くのには薙澤なおさんの絵の方がいい(女の子がかわいい?)、
という理由で組んだのかな?
- 全然違う事(今回では禅と雑巾がけ)をやっていたのが、
実は他のスポーツをやるのに適した筋肉の強化に繋がっていた、
というのもこれまたスポーツ物の王道展開ですね。
ごっつぁんです、でもありました。
- マネージャーが筋肉マニアを通り越して痴女っぽいのがなんとも…。
正義の横綱 宇宙の海 星太郎/後藤竜之輔
- ギャグ読み切り41P。
- 宇宙から相撲部屋へやってきた赤ん坊。星太郎と名づけられ育てられたその子だったが、
余りの強さに中学ではその力を封印して生活していた。
しかしちゃんこ作りや不良たちを前にしてついにその本性が…。
- 名前変わってますけど、絵柄からして後藤竜児先生ですよね?
名前変えたんですね。
- というわけで、後藤先生のいつものパターンのギャグ。
ギャグで41Pはやっぱりちょっと長いか。オムニバスっぽく、2〜3話に分けると良かったかも。
紅 kure-nai/原作:片山憲太郎・漫画:山本ヤマト
- 11月に新創刊されるジャンプSQからのプレ掲載読切16P。
- スーパーダッシュ文庫の原作とその挿絵のコンビによるコミカライズ、
ということのようです。アニメ化も決まっているようですね。
- それはいいんですが、原作と漫画以外に、
さらに脚本:竹田裕一郎、コンテ構成:中島諭宇樹、とクレジットされているのが謎。
アニメでもないのに、コンテ構成って何?
- 設定が、またこれどんなギャルゲ?って感じの周りはみんな(ちょっと個性的な)女性だらけ。
さらに任務はお嬢様のボディガード、という王道展開ですね。
- このプレ掲載だけでは、主人公にどんな特色があるのかまではわからず。
それはアニメなりSQなりを楽しみにしていろ、ということなんでしょうか。
- 去年のジャンプ the Revolutionに載った「屋上探偵オクタン」
(作画:遠藤達哉・原作:大崎知仁)と一瞬混乱しましたが、別物ですね。
サンライズ/久保崎太一
- 第45回(12月期)J十二傑新人漫画賞受賞作読切45P。
- 全国的にも珍しい男子ソフトボール部。新聞部の西は、ソフト部の取材を続けるうち、
真っ赤なソフトボールを持つ男・勝部に出会う。彼の投げる球は「太陽の光(サンライズ)」と呼ばれていた。
- 敢えてこの野球ブームの中でソフトに目をつける、というのは面白いですね。
- 途中までどう見ても典型的な悪役の豪樹が、最後改心するところは良かったです。
- しかし100km/hが150km/h相当になるんだったら、140km/hは210km/h相当になりそうなもんだが、
そんなに単純なもんでもないんですかね。
クリティカルヒーロー/羽田豊
- 第46回(1月期)J十二傑新人漫画賞受賞作読切31P。
- いじめられっ子の松下ヒカルの前に現れたのはヒーロー部を名乗る怪しげな2人組・
二本柳マモリと木乃上タツミ。マモリの開発したヒーロースーツに身を包んだタツミだったが、
本人には全くやる気がなく…。
- めんどうくさがりでやる気のないヒーローが、
幼馴染のピンチのために覚醒する、という王道ヒーロー物展開。
この展開だと、あまり狂言回しのいじめられっ子の存在意義がなあ…。
バッテリー手渡すだけじゃなあ…。
テンコ/堀越耕平
- 戦国時代読切47P。
- 戦国時代、戦場に現れては刀を壊していく「戦荒らし」と呼ばれる童がいた。
果たして彼は何者なのか?
- ヒロインが憧れている武士が実は…というのもこれまた定番の展開ですね。
ヒロインにとっての善と悪の価値観が逆転する、といった構図。
- 両手で掴んだ物を破壊してしまう、しかもその能力で自分の母親を殺してしまった、
というテンコの設定は、なかなか個性的。ただ、この漫画の場合、
そのアイデア一本だけで描き切ってしまった印象で、
そこからのストーリー的な広がりはいまいちだったかなあ、という感じ。
絵柄もなかなか個性的なので、次回作に期待したいですね。
髑ロマン/今地庵
- 第47回(2月期)J十二傑新人漫画賞受賞作読切45P。
- かつて道具を使わず己の身体のみで数々の遺跡を発見し「発掘王」と呼ばれた男がいた。
しかし禁断の墓を荒らしたことでドクロの呪いにかけられてしまう。
呪いを解くためには、契約書に手形を押してもらうか、キスをしてもらうしかないのだが…。
- よりによってドクロの外見にしては無茶な契約方法、というガイドのドSっぷりが○。
呪い状態といっても必ずしも悪いことだけではなくて、
骨だから硬いとか、炎に強いとか、そういう利点もあるところがポイントでしょうか。
- 人質の社長令嬢の、厭世的な雰囲気が何かいい味出してました。
フットサル、柔道、剣道、格闘(ケンカだけど)、陸上、相撲(ギャグだけど)、ソフトボール、
さらにはボーリング(おい)、
とやたらとスポーツ物が目立った赤マルでした。
いつもだともう少しファンタジー系の比率が高いんですけどね。
ただ、袋とじがなかったのはやはり残念ですね。
赤マル買う理由の何%かはやはりあの袋とじ番外編を読むことにあったので
(今では新人チェックの比率の方が高くなっているので相変わらず買ってますけど)。
(2007.08.16)
2007年のインデックスへ
ジャンプの部屋へ
漫画の部屋へ
漫画関連リンク
新着情報
趣味の館へ
KTR:ktr@bf7.so-net.ne.jp