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サクラテツ 命名篇
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「サクラテツ 対話篇」に登場するキャラクターの名前は、
哲学者の名前のもじりになってます
(そもそもタイトルが「ソクラテス 対話篇」のパロディ)。
というわけで、元ネタを解説。
私は全然哲学史などに詳しいわけでもなく、
Googleなどで適当に検索した結果を書いてるだけなので、
間違ったこと書いてたらごめんなさい。
基本的に「サクラテツ」が続いてる限り、
毎週新キャラ登場の度に更新するつもりなので、
いちいち「新着情報」には載せません。
最終更新日: 2002.09.29
- 桜鉄(さくらてつ)……ソクラテス (Socrates)
- BC470年〜BC399年・ギリシャ生まれ
- 自身は一冊の本も残さなかったらしい。
「自己認識すること」を哲学の発端として初めて捉えた(らしい)。
悪妻を持ってたことでも有名。
彼をはじめとして、宛内区・宛内高校(アテナイ=ギリシャのアテネ)
に通う主要キャラはみなギリシャ系の思想家の名前がつけられている。
- 出井富良兎(いでい・ふらと)……プラトン (Platon)
- BC427年〜BC347年・ギリシャ生まれ
- ソクラテスの弟子であり、記述者。
著書は大きく「前期 対話篇」「中期 対話篇」「後期 対話篇」
に分けられ、前期は主にソクラテスの考えを、
中期から後期にかけてはプラトン自身の考え方が入っているらしい。
ソクラテスの「〜そのもの」という考え方を「イデア」という概念として受け継いだ。
苗字の「出井」は「イデア」のもじりと推測される。
著書に「ソクラテスの弁明」他多数。
- 久散(くさん)姉ちゃんと弟・鉄瓶(てっぺい)……クサンチッペ (Xanthippe)
- ?・ギリシャ生まれ
- ソクラテスの奥さん。口やかましい悪妻として有名。
ソクラテスが「良い妻を持つと幸せになれる。
悪い妻を持つと私みたいな哲学者になれる」
ってなことを言ったとか言わないとか。
- 垂須(たれす)先生……タレス (Thales)
- BC640年頃〜BC546年頃・ギリシャ生まれ
- 世界の根源は「水」である、という一元論を唱えた。
- 未来女王アリス……アリストテレス (Aristotle)
- BC384年〜BC322年・ギリシャ生まれ
- 学問の統合と分類を行った、古代の「科学者」。
「火」「水」「土」「空気」の四元論を唱えた。
天動説やら、「重い物の方が早く落ちる」やら、エーテルの存在やら、
間違ったこともいっぱい言ったが、かなり後まで信じられていた。
- 宇宙海賊ファイヤァーベント……ポール・K・ファイヤアーベント (Paul K. Feyerabend)
- 1924年〜1996年?・オーストリア生まれ
- 「ファイヤーベント」「ファイアーベント」などとも書かれるようだ。
音楽の都ウィーン生まれらしくオペラ歌手志望だったが、
ナチス占領下のオーストリアで第二次世界大戦に従軍、
腰に銃弾を受け下半身が麻痺し、オペラ歌手としての道を諦め、
哲学の道へと進んだ、という波乱の人生を送る。
「科学哲学者」として、哲学の立場から科学的合理主義を批判し続けたらしい。
著書に「方法への挑戦」「自由人のための知」など。
没年がないってことは、まだ生きてるの??
(2004.08.26追記)
自伝「哲学、女、唄、そして…」は死の数週間前に書き上げられたそうです。
これの日本版の出版が1997年1月、ってことなので、
恐らく没年は1996年か1995年とかそこら辺ではないかと推察しますが、
詳しい情報をご存知の方はよろしくお願いします。
- 地底皇帝ジークムント……ジークムント・フロイト (Sigmund Freud)
- 1856年〜1939年・オーストリア生まれ
- 精神分析の創始者。なんでもかんでも性に結びつける「夢診断」で有名。
著書に「精神分析入門」など。
- 魔界王子ニーチェ……フリードリヒ・W・ニーチェ (Friedrich Wilhelm Netzsche)
- 1844年〜1900年・ドイツ生まれ
- 「神は死んだ」というフレーズが有名な哲学者。
主な著書に「ツァラトゥストラはかく語りき」。
- 神の国の怪獣アウグスティヌス……アウグスティヌス (Augustine)
- 354年〜430年・イタリア生まれ
- キリスト教における神に対する罪・原罪説を元に、
神学として確立した神学者。
著書に「神の国」など。
- 尻の穴の神様ショーベンハウアー……アルトゥール・ショーペンハウアー (Arthur Schopenhauer)
- 1788年〜1860年・ドイツ生まれ
- 綴りが「Schopenhauer」らしいので、「ショーベンハウアー」(濁音)
ではなく「ショーペンハウアー」(半濁音)が正しいようです。
なんかよくわからんのだが、「意志を客観視した」人らしい。
悲観論者(ペシミスト)とか言われてるらしく、
仏教に通じるものがあるらしい(もう何がなんだか)。
著書に「自殺について」「表象としての世界」「存在と苦悩」「孤独と人生」など。
- NOと言える日本国大統領デューイ……ジョン・デューイ (John Dewey)
- 1859年〜1952年・アメリカ生まれ
- 図書分類の十進分類法を発明した「メルヴィル・デューイ」って人もいるみたいなんですが、
哲学・思想関係だったらこちらのジョン・デューイでしょう、おそらく。
「アメリカ教育哲学」「プラグマティズム」と呼ばれる理論を説いた人らしい。
その本質は「学び方を学ばせる」ことにあるとか。
このデューイの教育思想は日本の戦後教育にも大きな影響を与えたらしい。
著書に「学校と社会」など。
- 多重人格ラッコ・ゾロアスター……ゾロアスター (Zoroaster)
- BC650?〜BC570?(BC1500とかBC1000とか諸説あり)・ササン朝ペルシャ生まれ(現在のイランの辺り)
- ゾロアスター教を開いた人。ゾロアスター教は、
火を聖なるものとして崇めるところから「拝火教」とも、
アフラ・マズダを主神を崇めるところから「マズダ教」とも呼ばれる。
善神アフラ・マズダと悪神アンラ・マニュの二元対立論が特徴で、
後のキリスト教、ユダヤ教、イスラム教へと大きな影響を与えたらしい。
また「ゾロアスター」をドイツ語読みすると「ツァラトゥストラ」となる。
なるほど、ニーチェとの関係はこれか。
- 富良兎の双子の兄・魔性の美少年・出井紀世能(キセノ)……キセノフォン (Xenophon)
- BC430年〜BC355年・ギリシャ生まれ
- プラトンと共にソクラテスに従事した思想家だそうです。
この元ネタに辿り着く前に付喪神さんより、
「ゼノン」や「セネカ」、「キケロ」あたりを混ぜたのでは?
という情報を頂きましたが、
「富良兎(プラトン)の双子の兄」ということで、
共にソクラテスに従事したというキセノフォンが恐らく元ネタでしょう
(音的にもずばりだし)。
- 鉄の友人・栗人(クリト)……クリトーン (Crito)
- ソクラテスの老友。
- 付喪神さんより情報をいただきました。
ソクラテスが人々にその教えを広めた結果、当時の民会から
「邪教の布教」として告発され、
有罪となり死刑に処されたのは有名な話です。
しかし、彼は逮捕された際、獄中で仲間から脱獄を勧められるのですが、
「悪法も法」という考えから判旨をそのまま受諾しました。
この脱獄を薦めた人物が、ソクラテスの老友でもある「クリトーン」で、
この脱獄拒否に関する逸話を収めたのが『クリトーン』
と言う書物だそうです。
他にもそれに対するプラトンの考察を描いた『パイドーン』
という書物もあるとか無いとか。
マニアックですなあ。
しかし、やはり鉄の周りの主要人物は全てギリシャ系で固められているようですね。
- 鏡の国のナルシスト・羅漢(らかん)……ジャック・ラカン (Jacque Lacan)
- 1901年〜1981年・フランス生まれ
- フロイト文献の再評価を行った心理学者。
「鏡像段階」という概念を提唱した。
著書に「エクリ」「精神分析の四基本概念」など。
- (参考)阿羅漢…梵語のarhatの音写。「尊敬を受けるに値する者」の意。
- 小乗仏教において、仏教修行における最高段階に達した人の称号。
- 夢の創造主・風吼(ふうこう)……ミシェル・フーコー (Michel Foucault)
- 1926年〜1984年・フランス生まれ
- フランス構造主義の代表的な思想家。
著書に「狂気の歴史」「言葉と物」「知の考古学」「監獄の誕生」
「性の歴史」「共同幻想論」など。
- 宇宙海賊船プリンキピア・マテマティカ……『プリンキピア・マテマティカ(数学原理)』
- アルフレッド・ホワイトヘッド(Alfred North Whitehead・1861年〜1947年・イギリス生まれ)&バートランド・ラッセル(Bertrand Author Russell・1872年〜1970年・イギリス生まれ)共著
- 「ゲーデルの不完全性定理」へとつながる、
集合論や記号論理学などについて書かれた書らしい。
「1+1=2」を証明するために数百ページが費やされているらしい。
他にも「私の言うことは嘘である」というクレタ人のパラドックスとか。
- 漫画の妖精・ウィトゲンシュタイン……ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン (Ludwig Wittgenstein)
- 1889年〜1951年・ドイツ生まれ
- 「言葉とは何か」という問いを突き詰めた哲学者。
著書に「論理哲学論考」「哲学探究」など。
- 漫画神・ハイデガー……マルティン・ハイデガー (Martin Heidegger)
- 1889年〜1976年・ドイツ生まれ
- 「存在とは何か」「『ある』ということは何か」を突き詰めた哲学者。
第二次世界大戦時、ナチスに加担したりと悪役の資格十分。
著書に「存在と時間」など。
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