漫画の部屋
ジャンプの部屋・赤マルジャンプ2004 SUMMER感想
お盆でジャンプ本誌は合併号。
というわけで、赤マルジャンプです。
表紙&特製ポスター
- 10月からのアニメ化を控えて編集部一押しのBLEACHです。
DEATH NOTE プレミアムコミックカバー
- 死神勢揃い。美しい。今後、リューク、レム以外の死神たちも出てくることがあるのでしょうか。
裏表紙側の酋長みたいな死神は強烈な存在感ですねー。
- リュークの綴りは「Ryuk」なんですね。みんながみんなLで始まるわけではないんだ。
しーもんきー/叶恭弘
- 巻頭カラー。掴みはOK!!
- さすが男が完璧な女装をするという倒錯の愛の世界を描いた叶恭弘先生。
今度は種族を超えた愛をテーマに。
- 「プリティフェイス」の天才整形外科医といい、
この人の漫画はやっぱり変態的な天才科学者やらが出てこないと始まりませんね。
マッドサイエンティスト万歳。
- 猛烈に「それで本当にいいのか!?」感が漂っているものの、
それらのツッコミをさせない位の勢いを感じます。
いや、やっぱりツッコミたくなりますけど。
あかねの末/落合沙戸
- 幕末の世、日本へ帰ってきた金髪の子供は、無天円月流の達人だった…。
- ジャンプ系では非常にありがちな「主人公は実は○○の達人」パターン。
まあ、それでも最後は刀を抜かずに倒す、というところに少しだけひねりは見られましたが。
- 悪役があまりにも類型的で魅力がないのがちょっと残念。
冒険王/後藤竜児
- 高橋和希先生のアシ出身、後藤竜児先生のギャグ読み切り。
- 主人公のボケ役は勘違いしたまま突っ走って、結果オーライ、というパターン。
- ツッコミ役の方に対するフォローがなさ過ぎ、っていうツッコミを、
ギャグ漫画に対してするのもどうかと思うので保留。
- ギャグは全般にすべり気味でした(私にとっては)。
WoodManザッパー/鬼団子
- 十二傑賞受賞作品。
- とにかく絵が荒削りですが、でもなかなか魅力のある絵だと思います。
- 女山賊マキギのキャラがいいアクセントになってます。
- 人を捕らえて木として人に斬らせる、っていうのは怖いですね。
なかなか秀逸なアイデアだと思いました。
- ただ、逆転に至った切り札にもう一捻り欲しかったですね。
「養分を奪った」だけじゃ弱すぎる。
赤マル恒例!!番外編
- 3年Z組銀魂先生
- 配役見た瞬間に、近藤局長が犯人だとわかるっていうキャラの立ちっぷりもどうかと思う。
- DEATH NOTEにラクガキ4コマ
- いや、面白いんだけど、これ本編読む時にこういう目で見ちゃうよ?
- 「流石流河」を連呼する月が楽しすぎ。
- やっぱりLは変態でした。靴下フェチとはまたマニアックな。
「18歳だったらそれが普通です」じゃないよ。
- いちご10〜11%
- この数字って毎回少しずつ上がってるんだ。気づかなかった…
(前回は8〜9%)。
- 相変わらず内容がない4コマだなあ。
- ボーボボ鼻毛劇場
- ふんばりの詩
- ようやく葉とアンナ登場?果たして本編が終わるのと同期して終了できるんでしょうか。
ニライカナイより/田村隆平
- 探検オタクな男の子に翻弄される幼馴染の女の子。二人は無人島に…。
- 絵は丁寧で見やすいですね。デフォルメもわかりやすいし。
- 主人公の男の子がおかしいのはまあ言うまでもないことですが、
無人島に打ち上げられて「今こそ絶好の告白のチャンス!」と捕らえる女のこの方も、
かなりなもんだと思いました。ポジティブシンキングにもほどがある。
- ネリとシーサ、草薙の剣の関係のあたりが説明不足ですね。
- 結局舞台は沖縄の島だったということなのかしら?
魔人探偵脳噛ネウロ/松井優征
- 十二傑賞・準入選作品。
- 独特の絵のタッチです。構図とかも含めて、このまま精進していけば、
非常に個性的なマンガ家になりそう。
- キャラの造詣も相当変わってますね。もう手垢のつきまくった感のある探偵モノですが、
主人公に女子高生探偵、助手役として魔人を配置するというのが絶妙。
高難易度(カロリー)の「謎」を食べるために謎を解くという設定もイカしてます。
- トリックの方も犯人の意外性もあってなかなか良かったのではないでしょうか。
- ただ、女子高生探偵のヤコが、なぜネウロの言うとおりに従っているのか、
そこがちょっと弱い気がしました。いや、あんなのに付きまとわれたら従うしかないけど(笑)。
ネウロがヤコを選んだ理由として、ヤコだけが持っている特質みたいなものが何かもう一つあると良かったかなあ。
推理小説好きなら誰でも良かったのかって話になるので。
- 将来性に期待という意味では一番楽しみですね。
狗童-KUDOH-/岩代俊明
- センターカラー。
- 人間の滅びた後の近未来、ガーゴイル使いに占拠されたカラス天狗の町に少年が帰ってきた…。
- センターカラー任されてるってことは、有望な新人さんなんでしょうか。
本誌に掲載されたことはないようですが…。
- 絵は見やすくて丁寧ですね。ちょっと個性に欠けるところがあるかも知れませんが
(ペンネーム変えられて本誌に掲載されたら同じだと見抜く自信がない)、
これから続けていけば独自の味が出てくるかも。
- ナルカミのキャラがいいです。
- 近未来の世界観をしっかりと作りこんである感じなのは好感を持ちました。
- 主人公が「石動」に「百神足」だと思って身に付けた技が、
実はそれを遥かに凌駕する「風動」に「天神足」だった、というのは燃える展開でした。
- 完成度という意味では今回1番ですね。
味覚師ツムジ/佐藤雅史・宇水語
- 小学生の味覚師と、新米料理調査員のコンビが送る、グルメ漫画。
- 原作付き、ということでちょっと期待しながら読んだのですが、
うーん、凡百のグルメ漫画の域を超えていないような…。
- 新米ヒロインがクソ生意気なガキ(でも才能アリ)に翻弄される、
っていうフォーマットもなんかありきたりだしねえ。
- 「絶対味覚」ってのももう手垢のついたネタですしね。
- 「絶対味覚」だけではわからない、不足している味の元は何だったのかを推測する、
っていうひねりはまあ良かったと思うんですが、でも見せ方が悪いのか、どうもいまいちだった気がします。
アンサンブル/神海英雄
- 吹奏楽部で、いがみ合うバリトンサックスとソプラノサックス。
果たしてコンクールまでに二人の息を合わせることはできるのか?
- アドリブ熱血暴走バカタイプの主人公と、冷静クール秀才タイプのライバルが、
反目し合いながらも、やがてお互いを認め合う…というお話。
- 絵はちょっと雑なところもありますが、勢いがありますね。
- 「そうか!重要参考人の俺が」「黙れや容疑者」のような、
細かいボケとツッコミはセンスを感じます。
- まあストーリーは王道って感じでいいと思うんですが、
主人公が誤解して一時的に離れていくエピソードがちょっと弱い。
真相もショボいけど、その誤解をいつまでも解消しようとしないのも何だかなあ、という感じで。
ここが弱いので、誤解が解けていくカタルシスがいまいちでした。
リアクション!!/岩田崇
- 十二傑賞受賞作品。
- 絵が妙に劇画チックな「人アレルギー人間」ギャグ漫画。
- 合気道を絡めてるところはなかなか面白かったですが、
ギャグ自体はいまいちだったかなあ。
- 最後ほったらかしな結末はちょっと新鮮だったかも。
空中図鑑/田中靖規
- イメージしたものが全て現実になる不思議な石板をめぐる、
漫画家と隣に住む女子高生の冒険。
- 主人公が16歳から連載を持っている漫画家、という設定。
岸辺露伴か、矢○健太朗か?
- 漫画家ならではの想像力を駆使して、イマジネーションバトルに持ち込む、
という設定はなかなか面白かったです。
- 「冷たい炎」での他にももうちょっとひねった発想も見せて欲しかったですが。
大石浩二を1匹見かけたらあと30匹はいると思え!/大石浩二
- 本誌にも何度か代原を載せたことのある大石浩二先生の4コマ。
- やっぱり兄弟仁義シリーズが一番面白いな。
解体心書/岩本直輝
- 心を治療する「心拳医術」をめぐる話。
- 岩本直輝先生は、前回の赤マルで「窯神」を描いていた人ですね。
前回はいとうみきおに継ぐ、新人トップ、今回はしんがり、ということで、
新人グループの中でも中堅どころを担っているといったところでしょうか。
- 前回の「心の窯」と同じように、今回は心そのものを治療する話。
心を具体化するような設定が好きなんでしょうか。
- 「封」の技に堕ちる動機、「滅」の技に手を出す動機が、どうにも弱いなあ。
- 個人的には前回の「窯神」の方が好みでした。
今回のはヒロインの造詣があまりにも類型的過ぎ。
やっぱ赤マル全感想は疲れるなあ。
(2004.08.18)
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